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芸西天文台通信<2005年7月27日号>


さそり座新星(Nova Sco 2005)の観測, 天の川の写真

さそり座新星の観測です。
2005UT
July26.45  9.2等 ブロニカEC  75mmF2.8
    27.45  8.1等  イプシロン 21cmF3
TM400フイルム
 今夜は非常に良く晴れ天頂のはくちょう座付近も写してみました。
 22時から23時にかけ東天の中空を捜索しました。こうした夜中の捜索は太陽から離れている関係で比較的大きいコメットシーカーを使うことが多いです。そして夜明け前には例の9cmコメットシーカーの出番となります。大型双眼鏡の視野に映る恒星たちは比較的収差が良く取れている関係か鋭く小さくまとまっています。ある程度星を意識した設計らしく視野周辺に行くコマによる崩れは軽微です。それにしてもコーティングが良いのか映像の明るさは抜群です。捜索を始てすぐ入ってきたM31は隣接する9.5等位の小銀河が驚くほど大きく見えました。M32は小さくて明るく可愛い。
 しかし実際にこうして彗星様の天体が入って来たとき、もしそれが本物だったら、以前のようにすぐ判別して位置を知ることができるだろうか?と、ふと不安になりました。最後の発見から30年以上も経っているのです。当然あらゆる勘が失われています。
 彗星捜索は天体の赤緯、赤経を知ることが極めて厄介です。ふと足元に転がっている箱はなんだろう?とよく見れば、それはそのための「ナビゲータ」。今はこのような便利なものが有りながら古い人間には用をなさないという滑稽談。依然位置を鉄砲で狙うような旧式、原始式でいきましょう。スケッチ用紙はコンパスで5cmの円を無数に描きながら、まだ1枚も使われずに残っています。この捜索法はメシエの昔から少しも進歩していないようです。


M7とさそり座新星(Nova Sco 2005)
2005年7月27日 20時50分から10分間露出 (J.S.T)
ε210 (21cm F3反射)  TM400フィルム


(拡大)
矢印の先にある明るい天体がNova Sco 2005



ブロニカECで撮ったはくちょう座付近の天の川
2005年7月26日 21時30分から15分露出(J.S.T)
ニッコール 75mm F2.8
TM400フィルム

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