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芸西天文台通信<2004年12月8日号>


● 69P/Taylor, C/2004 U1 (LINEAR), C/2004 V5 (LINEAR-Hill)
 今日も良く晴れました。夜半に天文台へ行って、朝方まで頑張ってきました。

 先ず69P/Taylorを32分のメトカーフガイドで撮影しました。今近日点のやや近くですが17.5等と暗いですね。1976年に行方不明の長い放浪生活の末、パロマー山のKowal氏につかまった時には16等でかなり立派なコマがありました。この時芸西ではその少し前に40cmの反射で写し止めていましたが残念報告が遅れました。
 しかし今回はほとんど核だけで、わずかに滲んで尾らしいものが有るという程度にまで衰弱しているような気がします。しかしこの星は軌道がうまく合いませんね。今回も村岡健治さんのかなりしっかりした軌道要素と比較して3″位の残差を見せているようですが、これは厄介な「非重力効果」のせいでしょうか。

 このほか最近増光したC/2004 U1を13.5等で、そして核が2つ見えるC/2004 V5を狙いました。C/2004 V5は依然17.5〜18.0くらいの光度でA, B二つの核が雁行していますが、面白いことに、やはり先頭のA核がB核を細い紐のようなカーブした光でひっぱているように見えます。11月に写したときはフィルムの傷かもしれないと思つていましたがやはり本物のようです。

 TP6415フィルムがなき今、ISO100の中感度フィルムで頑張っています。この様な低照度の小さな天体には、ISO400の高感度フィルムよりはるかに良い効果を発揮するのです。ここ当分巨大なテレスコープにしがみついて、まるで砲兵のような苦闘が続きそうです。


    PK04V040   2004 12 06.55556 04 01 01.87 +05 41 29.1          17.5 T      372
    PK04V040   2004 12 06.57778 04 01 00.89 +05 41 39.3                      372

    PK04V050a  2004 12 08.78090 09 45 13.32 +36 35 17.9          18.0 T      372
    PK04V050a  2004 12 08.82465 09 45 13.77 +36 35 29.7                      372

    CK04U010   2004 12 06.67674 08 00 07.18 +42 17 09.8          13.5 T      372
    CK04U010   2004 12 06.68854 08 00 04.97 +42 17 36.1                      372

0069P          2004 12 06.65972 08 58 37.99 +16 05 39.1          17.9 T      372
0069P          2004 12 08.74375 09 00 20.49 +16 29 53.8          17.8 T      372


[69P/Taylorの写真]
69P/Taylor
2004年12月9日 2時35分〜3時7分 J.S.T
60cm F3.5反射
Fuji NEOPAN 100 ACROS




Copyright (C) 2004 Tsutomu Seki. (関勉)