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芸西天文台通信<2001年7月20日号>


● リニア彗星(2001 A2-b)分裂消滅中か
 7月14日には芸西の60cmによる写真を示したが、核に異常は見られなかった。
 7月19日夜半に20cmR60×で見るとコマがまず小さく暗いことに気づいた。全体で6.5等くらいか。しかし60cmの長時間写真(12分)によるとB核が3つに見え次のごとくB核からの方向角と距離を得た。
           PA    距離   光度(m2)
第2の核    225°   5"    14m
第3の核    315°  10"    13m
 これらよく輝く3つの核について概測した。最初がB核らしい。つまり新しい核ができて従来のB核の先頭に立って飛んでいる。B核は更に2つに割れたように見える。
  2001 U.T       R.A(2000)    Decl.     m2(核)
  July 19.69340  21 47 39.2  +18 03 05  12
  July 19.69340  21 47 38.8  +18 03 02  14
  July 19.69340  21 47 38.6  +18 03 16  13

 これらの分裂核はすぐに消えるかもしれない。また彗星全体も急速に衰えていくだろう。
 翌7月20日の深夜(22時)にも観測した。核は3つに見えず、分裂した方向に長く連なっていた。かつて分裂消滅したリニア彗星(1999 S4)は崩壊前、核が短い紐の如く伸びているのを見た。今回の彗星もまもなく消滅の前兆か?
[分裂したリニア彗星] [等高線付画像]
分裂したリニア彗星 C/2001 A2(LINEAR)
2001年7月20日 午前1時30分から12分間露出
60cm F3.5反射

芸西天文台 関勉
簡単な画像処理により等高線をつけた画像




Copyright (C) 2001 Tsutomu Seki. (関勉)