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芸西天文台通信<2000年8月1日号>


● C/1999 S4(LINEAR)
 リニア彗星のカラー写真がやっとできました。
 7月7日の七夕の夜、60cm鏡で撮影したときコマの形に異常を感じました。そして尾も複雑に変化しており何か爆発でも起こったのではないかと思われましたが、その後の写真では特に変わったことは認められませんでした。しかし中旬になって岡村氏から5"ほどの残差が出るようになり、非重力効果が現れ始めたとの連絡がありました。特に現象を熱心に研究している同氏の最初の発見です。非重力効果は核からの急激なガスの噴射等(1種のロケット効果)によって軌道が予想外にズレる現象です。7月7日のコマの異常と関係があるかもしれません。そして来るべき大崩壊の前兆であったのでしょう。今後彗星の軌道がどのように変化していくのか、数値は微々たるものですが計算者の楽しみです。それにしても早くレンズを向けてみたいです!
 写真は7月21日、60cmで10分間メトカーフガイドしたリニア彗星崩壊前の雄姿です(彗星の右上にある細い線は流星です)。

[リニア彗星のカラー写真]
C/1999 S4(LINEAR)
2000年7月21日 10分露出(メトカーフガイド)
フジカラーリバーサル400
芸西天文台 60cm反射鏡




Copyright (C) 2000 Tsutomu Seki. (関勉)