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思い出の彗星


関・ラインズ彗星(1962C)

 この彗星は私の2つ目の発見です。1962年の2月4日(立春)の激寒の夜半、南の地平線すれすれに発見しました。ところがアメリカのアリゾナ州の砂漠の中に意外な伏兵がいて、コペンハーゲンへの報告を競り合いました。そのライバルがリチャード・ラインズさんでした。当時テレビの人気番組に”逃亡者”というのがあって、主人公がリチャード・キンブルさんでした。あまりにも人気が高かったので、私が本(未知の星を求めて)の中でラインズさんのことをリチャード・キンブルと書いてしまった笑い話があります。ともあれこの”逃亡者”の星はその名の如く、発見・追跡約2ヶ月末、何と太陽のコロナの中に逃げ込んだのです!100万度のコロナの中で私のホウキ星はどうなったのか?! 4月中旬になって西空に浮かんできた姿は太陽熱に焼き焦げた姿とはうって変わって神秘的なブルーに輝く女神そのものの美しい姿でした。



関・ラインズ彗星(1962年4月9日 夕)
高知市上町の自宅から
300mm望遠レンズ



Copyright (C) 1999 Tsutomu Seki. (関勉)