芸西天文台の60cm反射望遠鏡が完成する前年の1980年12月5日、37年周期で回帰する『ステファン・オテルマ彗星』が、かに星雲(M1)のすぐそば(角度で15’)を通り抜けました。
この夜、かに星雲にくっついた彗星は、星雲とほぼ同じ明るさで小さな望遠鏡でよく見えました。写真はまだ芸西に60cmの出来ていない時で、40cmF5の反射鏡(小島鏡)で撮りました。
この頃はコダック社の天文用103a-Eのガラス乾板が健在で、平面性と相反不軌に優れ実に良く撮れました。103a-Eとは赤の感光域に優れたプレートの事です。その後1985年頃から高価なガラス乾板に代わって6415テクニカルパンを多く使用することになります。
そして76年振りに帰ってきたハレー彗星の日本最初の発見への挑戦が行われたのです。