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     いて座に明るい新星が出現
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佐藤裕久
投稿日時: 2021-4-8 3:36
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いて座に明るい新星が出現

                            VSOLJニュース(373)

                         いて座に明るい新星が出現

                                            著者:前原裕之(国立天文台)
                                    連絡先:hiroyuki.maehara@nao.ac.jp

 天の川銀河の中心方向にあるいて座の中にはこれまでも多数の新星が発見され
ています。先月下旬にも新星(いて座V6594)が発見されたばかりですが、また新
たな新星がいて座の中に発見されました。新星を発見したのはオーストラリア
のAndrew Pearceさんで、4月4.825日(世界時; 以下同様)に焦点距離100mmのレ
ンズとデジタルカメラで撮影した画像から8.4等の新天体を発見しました。この
天体はオーストラリアのMacNaughtさんが4.639日に撮影した画像にも8.9等で写っ
ていたことが分かりました。明るい天体であったことから千葉県の清田さんや
山口県の吉本さん、福井県の小林さんほか多数の観測者による観測報告があり
ました。発見後の詳しい観測によると、この天体の正確な位置は

赤経: 17時 58分 16.06秒
赤緯: -29度 14分 56.5秒  (2000.0年分点)

です。
 この天体の分光観測は発見翌日の4月5.750日に岡山県の赤澤さんによって口径
35cmの望遠鏡を用いて行なわれたほか、5.828日には京都大学岡山天文台の3.8m
せいめい望遠鏡によっても行なわれ、この天体のスペクトルにはP Cygプロファ
イルを持つHα輝線の他、P Cygプロファイルの吸収線成分と同じ速度(およそ
1000km/秒)だけ青方偏移した一階電離した鉄の吸収線がみられることが分かり
ました。このようなスペクトルの特徴から、この天体が古典新星であることが
判明しました。
 この新星は4月5.8日(日本時間では6日明け方)ごろには7.7-7.8等ほど、6.8日
(同7日明け方)には8等ほどで観測され、口径5cm程度の双眼鏡があれば見ること
ができる明るさまで増光しました。なお、この新星にはいて座V6595という変光
星名がつけられましたので、今後の観測報告ではこの名称をお使い下さい。

                                                        2021年 4月 7日

新星の画像
 清田さん(千葉県)による観測
 http://meineko.sakura.ne.jp/ccd/PNV_J17581670-2914490.jpg
 吉本さん(山口県)による観測
 https://twitter.com/katsumi_comet/status/1379164370899410944/photo/1

新星のスペクトル
 赤澤さんによる観測
 http://akazawa-hide.sakura.ne.jp/keijiban/2021/20210405PNVinSgrSP.png
 せいめい望遠鏡による観測 (Taguchi et al 2021, ATel #14513)
 http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~kentagch/atel/pnvj1758.pdf

参考文献
vsnet-alert 25655
CBAT "Transient Object Followup Reports" PNV J17581670-2914490
CBET 4952:  V6595 SAGITTARII = NOVA SAGITTARII 2021 No.2
Taguchi, K., et al., 2021, ATel #14513
Taguchi, K., et al., 2021, ATel #14514

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