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     国立天文台 メールニュース No.162
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佐藤裕久
投稿日時: 2016-7-2 22:08
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 2511
オンライン
国立天文台 メールニュース No.162

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    国立天文台 メールニュース No.162  (2016年7月2日発行)
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 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報
 などを、メールでお届けする不定期発行のニュースです。
 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。

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もくじ
■アルマ望遠鏡が、観測史上最遠方の酸素を捉えた
■理科授業のための天文セミナー2016 参加者の追加募集
■岡山天体物理観測所「特別観望会2016夏」のご案内[岡山]
■全国同時七夕講演会2016
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■アルマ望遠鏡が、観測史上最遠方の酸素を捉えた

 大阪産業大学、東京大学、国立天文台の研究者をはじめとする研究チームは、
アルマ望遠鏡による観測から、およそ131億光年かなたの銀河「SXDF-NB1006-2」
に電離した酸素を検出しました。これは、観測史上最も遠い、つまり古い時代
の酸素の発見となります。また、宇宙初期に起こった「宇宙再電離」の頃の酸
素を捉えたと考えられ、この頃宇宙でどんなことが起こったか、その解明に
アルマ望遠鏡が大きな役割を果たすことが期待できます。

 およそ138億年前に起こったビッグバンの直後、宇宙には水素、ヘリウム、
そしてごく微量のリチウムといった軽い元素しか存在しませんでした。これら
の元素から生まれた宇宙初代の恒星の内部で、炭素や酸素といったより重い元
素 (重元素) が作られ、星がその一生を終える際に宇宙にまき散らされた元素
から、次世代以降の天体が作られていきました。
 ビッグバン当初の宇宙は非常に高温で、陽子と電子がばらばらに存在する
「電離状態」でしたが、その後宇宙の温度が下がり陽子と電子が結合して水素
原子となり、さらに数億年が経過するうちに恒星が誕生し、そこから放たれる
強烈な光によって、宇宙は再び電離状態になっていったと考えられています。
これが「宇宙再電離」です。しかし、どんな天体が宇宙再電離をもたらしたか
は、具体的に明らかになっていません。
 今回発見された電離酸素の状態は、この銀河には強烈な光を放つ巨大な恒星
が多数存在することを示しています。さらに、その強烈な光が銀河の外にまで
達して広範囲のガスを電離させたと推測できます。
 今後、アルマ望遠鏡を用いたさらなる観測で、どんな性質の銀河が宇宙再電
離をもたらしたのかを解明する、重要な手がかりが得られると期待できます。

 この研究成果は、2016年6月16日発行の米国の科学雑誌『サイエンス』オン
ライン版に掲載されました。

 ▽アルマ望遠鏡、観測史上最遠方の酸素を捉える
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201606177957.html


■理科授業のための天文セミナー2016 参加者の追加募集

 国立天文台は、全国の小学校教員および中学校理科の教員を対象とした研修
会を今年も開催します。日程は8月10日から12日までの3日間、会場は国立天文
台三鷹キャンパスです。
 今回の講座では、4D2Uドームシアターの観覧や50センチ公開望遠鏡を使った
夜間の天体観望など、三鷹キャンパスの充実した公開施設を活用した研修メ
ニューを用意しています。また、天文学者による太陽観測についての講演も
予定しています。
 なお、現在定員に余裕があるため、参加者の追加募集を行っています。追加
募集の期間は7月6日正午までとなっています。教員の皆様のご応募をお待ちし
ています。

「理科授業のための天文セミナー2016」実施概要
 日程:2016年8月10日 (水) から12日 (金) の3日間
 会場:国立天文台 三鷹キャンパス (東京都三鷹市大沢2-21-1)
 募集人数:40名 (作文等により選考)
 対象:全国の小学校教員、中学校理科担当教員
 募集締め切り:2016年7月6日正午
 参加費:無料 (交通費、宿泊費、食費等は参加者の自己負担です)
 その他:集合場所、参加費、日程、応募方法等の詳細は、ウェブサイトを
     ご覧ください

 ▽理科授業のための天文セミナー2016
  http://prc.nao.ac.jp/fukyu/teacher/

 ▽夏期教員研修講座「理科授業のための天文セミナー 2016」参加教員を募集
  http://www.nao.ac.jp/news/topics/2016/20160524-teacher.html


■岡山天体物理観測所「特別観望会2016夏」のご案内[岡山]

 国立天文台 岡山天体物理観測所は、ふだん共同利用観測に使用している188
センチメートル反射望遠鏡を使った一般向けの「特別観望会」を、毎年春と秋
に開催しています。
 このたび、7月30日に「特別観望会2016夏」として夏の天体観望会を予定して
おり、現在、参加者を募集中です。観望天体は、土星と火星を予定しています。
 参加ご希望の方は往復はがきでご応募ください。定員は80名、応募者多数の
場合は抽選となります。応募締め切りは7月9日 (必着) です。皆様、奮ってご
応募ください。
 応募方法等の詳細は、岡山天体物理観測所ウェブサイト「特別観望会2016夏」
のご案内をご覧ください。

 なお、例年8月下旬に開催してきました「特別公開」は、残念ながら今年は
中止することにいたしました。楽しみにしていただいた皆様には申し訳ござい
ません。

 ▽「特別観望会2016夏」のご案内 (岡山天体物理観測所)
  http://www.oao.nao.ac.jp/2016/06/13/sp2016summer/

 ▽「特別公開2016」の中止について
  http://www.oao.nao.ac.jp/2016/06/13/cancel_od2016/


■全国同時七夕講演会2016

 今年も、7月7日の七夕 (たなばた) の日や、伝統的七夕の日 (2016年は8月
9日) の前後の期間に、全国で天文や宇宙についての講演会を行う「全国同時
七夕講演会」が、日本天文学会の呼びかけのもとに開催されます。2009年から
続けられてきたこの企画も、今年で8回目となります。宇宙に関する講演会や
七夕にまつわるイベントが各地で行われますので、ぜひお近くの会場に足を運
んでみてください。
 各地の開催情報の詳細は「全国同時七夕講演会2016」のウェブサイトをご覧
ください。

 国立天文台が主催・共催する講演会は次のとおりです。このほかにも、国立
天文台の研究者が講師を務める講演会が多数企画されています。

・2016年七夕公開講演会「七夕の夜は宇宙を見上げて」
 日程:2016年8月7日 (日) 13:30-16:30
 会場:法政大学小金井キャンパス (東京都小金井市)
 内容:
  講演1 重力波とブラックホール、そして宇宙
      講師:安東正樹 (東京大学准教授、国立天文台併任准教授)
  講演2 宇宙の大きさを測る
      講師:小林行泰 (国立天文台教授)
 参加方法:ウェブサイトより事前のお申し込みが必要です
      定員400名 (先着順)
 その他:講演会開始前に、小望遠鏡と太陽投影板を用いた太陽観察 
     (晴天時のみ) を行います
 詳細:2016年七夕公開講演会 「七夕の夜は宇宙を見上げて」ウェブサイト
    http://www.kokuchpro.com/event/tanabata2016/

 ▽全国同時七夕講演会2016 (日本天文学会)
  http://www.asj.or.jp/tanabata/2016/


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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2016年7月2日
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© 1999 Tsutomu Seki.