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佐藤裕久
投稿日時: 2022-3-3 22:07
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 2517
オンライン
国立天文台 メールニュース No.236

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 国立天文台 メールニュース No.236 (2022年3月3日発行)
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国立天文台の研究成果やイベント、注目したい天文現象などを、メールでお届けする不定期
発行のニュースです。どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。

◇もくじ-------------------
・研究成果:深層学習で太陽表面の乱流構造を解き明かす
・話題:トンガの海底火山噴火をKAGRAの環境モニターが捉えた
・お知らせ:第33回 自然科学研究機構シンポジウム「宇宙と、分子と、私たち」
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▼研究成果
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■深層学習で太陽表面の乱流構造を解き明かす

 太陽の表面では熱対流による乱流が発達しています。太陽表面から外層に広がるコロナへと
エネルギーを供給するメカニズムを解明するためには、この乱流の速度や空間分布を知ること
が重要です。しかし、この乱流の鉛直方向の運動は直接観測できますが、水平方向の運動は観
測が難しいため、それを推定するさまざまな方法が試みられてきました。
 この乱流運動を推定する新たな手法を、国立天文台、核融合科学研究所、総合研究大学院大
学などの研究者による国際研究チームが、深層学習(ディープラーニング)技術を利用して開
発しました。数値シミュレーションで生成した多様な乱流データを使い、観測で得たデータと
組み合わせて、観測が困難な水平方向の運動を高速で推定する新たな手法を実現したのです。
さらに、空間分布ごとの推定精度を分析する手法も開発しました。
 この推定手法を、太陽表面の研究だけではなく、複雑な流れを扱う他の研究分野に応用する
展開も今後期待されます。

▽深層学習で乱流の隠れた構造に迫る―太陽とプラズマの乱流研究に新たな展開―
 https://www.nao.ac.jp/news/science/2022/20220225-sso.html


▼話題
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■トンガの海底火山噴火をKAGRAの環境モニターが捉えた

 岐阜県飛騨市神岡町に設置された大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)は、微小な空間の
伸び縮みを測定して重力波を観測する装置です。地面の震動や音といった装置周辺の環境に
起因する雑音を重力波による信号と区別するため、それらを常に監視するための環境モニタ
ーが備えられています。
 2022年1月15日に起こったトンガの海底火山の大規模噴火では、現地に甚大な被害がもたら
されただけでなく、津波や気圧の変化が世界各地で観測されました。そしてこの噴火に起因
する震動は、衝撃波、地震波、および電磁波として、トンガから約8000キロメートル離れた
KAGRAの環境モニターでも捉えられました。
 今回検出されたこれらの震動のデータは、今後の詳細な解析により、地上からの雑音を地
下施設でいかに削減できるのかの評価につながると期待されます。また、今回のようなさま
ざまな種類の振動を高い精度で同時に観測できる装置は世界的にも珍しいことから、地球物
理学や気象学、防災といった他の研究分野にとっても有用であると考えられます。

▽KAGRAの環境モニターが捉えたトンガの海底火山噴火
 https://www.nao.ac.jp/news/topics/2022/20220210-gwpo.html


▼お知らせ
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■第33回 自然科学研究機構シンポジウム「宇宙と、分子と、私たち」

 自然科学研究機構は来る3月13日に、シンポジウム「宇宙と、分子と、私たち」を開催し
ます。
 星や銀河が浮かぶ広大な宇宙には、小さな小さな分子もたくさん浮かんでいます。その
ほとんどは水素分子ですが、アンモニア、水、アルコールからより複雑な有機分子まで、
200種類以上がこれまでに宇宙で発見されています。それには、日本の研究者による発見も
含まれています。そして、星の誕生・惑星の誕生・星の死など宇宙で起こるさまざまな現
象に、分子が密接に関わっていることが分ってきました。宇宙の分子を探ることは、私た
ち自身と宇宙との密接なつながりをひも解いていくことでもあります。
 今回の自然科学研究機構シンポジウムでは、地球と宇宙の分子研究から見えてきた興味
深い世界をご紹介します。

○開催概要
 テーマ:宇宙と、分子と、私たち
 日時:2022年3月13日(日)13:30-16:30
 開催形式:オンライン配信(YouTubeライブ)
 主催:自然科学研究機構
 定員:なし(事前申し込み不要、どなたでもご参加いただけます)
 参加費:無料
 参加方法:YouTubeライブ配信にてお楽しみください
 内容:
  講演1:野辺山での星間分子の発見と、宇宙の雲の年代測定
   立松 健一
   自然科学研究機構 国立天文台 野辺山宇宙電波観測所長/教授
  講演2:分子からの電波で観る星と惑星系の形成
   相川 祐理
   東京大学 大学院理学系研究科 天文学専攻 教授
  講演3:ダストと巡る宇宙物質循環:分子から鉱物へ
   瀧川 晶
   東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 准教授
  講演4:創って理解する 生命現象をつかさどる分子「タンパク質」
   古賀 信康
   自然科学研究機構 生命創成探究センター 准教授

 開催内容の詳細は、本シンポジウム特設サイトをご覧ください。
 多くの皆様のご視聴をお待ちしております。

▽第33回 自然科学研究機構シンポジウム「宇宙と、分子と、私たち」
 https://www.nao.ac.jp/news/events/2022/20220221-nins.html
 https://www.nao.ac.jp/event/20220313-nins/(特設サイト)

▽自然科学研究機構
 https://www.nins.jp/


◇編集後記-----------------
例年よりも梅の開花が遅いと報じられているものの、国立天文台三鷹キャンパスでは、日
当たりの良い場所に咲く梅がそろそろ満開を迎えます。花が咲き日差しに春を感じると、
そわそわ、わくわくしてきます。3月13日のシンポジウム「宇宙と、分子と、私たち」では、
宇宙の姿とその歴史を知るワクワクをお伝えしますので、どうぞお楽しみに。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2022年3月3日

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