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     国立天文台 メールニュース No.212
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投稿者 スレッド
佐藤裕久
投稿日時: 2019-12-27 13:01
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 2503
オンライン
国立天文台 メールニュース No.212

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   国立天文台 メールニュース No.212  (2019年12月27日発行)
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 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象などを、メールで
 お届けする不定期発行のニュースです。
 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。

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■「GALAXY CRUISE」で銀河の謎を解く旅に出よう
■国立天文台講演会/第24回アルマ望遠鏡講演会
■2020年の初日の出情報
■太陽系外惑星系の名前が決定:IAU100 太陽系外惑星命名キャンペーン
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■「GALAXY CRUISE」で銀河の謎を解く旅に出よう

 すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ Hyper Suprime-Cam (ハイ
パー・シュプリーム・カム、以下HSC) を用いて撮影された宇宙画像には、多
くの銀河が捉えられています。その中には、他の銀河とすれ違ったり衝突した
りした際に、形が大きく変わってしまった「衝突銀河」が多数あります。その
形の特徴を調べ、さらにこういった衝突銀河がどのくらいあるかを数えること
は、銀河の生い立ちをひも解き、その多様性の謎に迫ることにつながります。
しかし、広大な範囲にわたり撮影された画像に写っている銀河の数はあまりに
も多く、研究者の力だけではとても分類しきれないのです。
 「GALAXY CRUISE (ギャラクシークルーズ)」は、市民の力を借りて、すばる
望遠鏡が捉えた多数の銀河の形を調べ分類を進める「市民天文学」プロジェク
トです。パソコンやタブレットを使ってインターネットを通じて専用サイトに
アクセスし、簡単な質問に答えながらゲーム感覚で銀河の分類を進めます。分
類の結果は、天文学者によって統計的に解析され、実際の宇宙の研究に役立て
られます。すばる望遠鏡とHSCで得られた銀河の画像は、これまでほかの望遠
鏡で撮影された画像よりも天体の暗く淡い構造がよく分かるため、より詳しく
衝突銀河の解析ができると期待されています。

 市民が研究者・研究機関と共に行う科学的活動を「シチズンサイエンス 
(citizen science)」と呼びますが、「市民天文学」はその天文学の活動の日本
語名称として、国立天文台が独自に考案したものです。市民がインターネット
を利用して観測データにアクセスし研究に協力するシチズンサイエンスは、海
外では多く進められていますが、日本ではこのプロジェクトが初めての試みと
言えるでしょう。
 天文学者と市民が協力して宇宙の謎に挑む「GALAXY CRUISE」は、大勢の乗
組員が一体となって大海原を航海するクルーズ船での旅になぞらえています。
クルーとしてのトレーニングを完了し乗船許可証を手に入れたら、いよいよ出
航です。次々と現れる銀河の分類に挑戦しながら4つの街と6つの大陸を巡りま
す。あなたもクルーの一員になって、銀河の謎を解く旅に出航しませんか。

 ▽あなたも天文学者! 研究者とともに銀河の謎に挑戦
  「GALAXY CRUISE」サイトを公開
  https://www.nao.ac.jp/news/topics/2019/20191101-prc.html


■国立天文台講演会/第24回アルマ望遠鏡講演会
 「アルマ望遠鏡で迫る銀河の誕生と進化」

 国立天文台は、アルマ望遠鏡の研究成果を紹介する講演会を、来る2020年
2月2日に開催いたします。
 南米のチリで観測を続けるアルマ望遠鏡は、宇宙のさまざまな謎の解明にそ
の威力を発揮しています。138億年の宇宙の歴史の中で銀河がどのように生ま
れ進化してきたかも、現代天文学の大きな謎の一つです。アルマ望遠鏡の高い
感度と解像度は、遠い過去の宇宙に存在する銀河の観測を可能にし、初期の宇
宙の姿を明らかにしつつあります。また近傍の銀河についても、星の工場とも
言えるガス雲のようすをこれまでになく詳細に調べることを可能にしました。
爆発的に星を作る銀河や、まさに合体しつつある銀河、巨大ブラックホールの
影響を強く受ける銀河など、多様な銀河の姿を通して宇宙の進化を解き明かし
ていく研究の最先端を、3つの講演を通じて分かりやすくご紹介します。 

 開催概要
 テーマ:アルマ望遠鏡で迫る銀河の誕生と進化
 日時:2020年2月2日 (日) 13:00-16:20 (開場 12:00)
 会場:東京国際交流館 (プラザ平成)  国際交流会議場
     (東京都江東区青海2-2-1 国際研究交流大学村内)
    https://www.jasso.go.jp/ryugaku/kyoten/tiec/access.html
 主催:自然科学研究機構 国立天文台
 参加費:無料
 定員:400名
 参加方法:
   事前のお申し込みが必要です
   ウェブサイトにある所定のフォームからお申し込みください
   申し込み期間は、2020年1月7日 (火) 正午から1月15日 (水) 正午まで
   お申し込み者数が定員を超えた場合は抽選となります
 内容:
  講演1:銀河の「陰の支配者」を電波で見る
   中西康一郎
    (自然科学研究機構 国立天文台 特任准教授/総合研究大学院大学 准教授)
  講演2:アルマは銀河の何を見るか?―分子が語る星の材料―
   濤崎智佳 (上越教育大学 教授)
  講演3:宇宙で最初の銀河を探して―アルマ望遠鏡による挑戦―
   井上昭雄 (早稲田大学 教授)
 その他:当日は講演のインターネットライブ配信を予定しています

 講演内容および参加お申し込み方法の詳細はウェブサイトをご覧ください。
 多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 ▽国立天文台講演会/第24回アルマ望遠鏡講演会
  「アルマ望遠鏡で迫る銀河の誕生と進化」
  https://www.nao.ac.jp/news/events/2019/20191212-alma-lecture.html


■2020年の初日の出情報

 新しい年を迎えるにあたり、初日の出を見に出かけようと考えている方も多
いのではないでしょうか。
 国立天文台ウェブサイトには、各地の初日の出の情報を掲載しています。都
道府県庁所在地のほか、富士山頂や犬吠埼といったお問い合わせが多い場所で
の初日の出の時刻や方位角等を公開しています。また、暦計算室の「2020年 
初日の出情報」では、市町村名等から初日の出の時刻と方位角が計算できるよ
うになっています。どうぞご利用ください。

 ▽ほしぞら情報 初日の出情報 (2020年)
  https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/01-topics01.html

 ▽国立天文台 天文情報センター 暦計算室
  2020年 初日の出情報
  https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/


■太陽系外惑星系の名前が決定:IAU100 太陽系外惑星命名キャンペーン

 創立から100年になる国際天文学連合 (International Astronomical Union、
IAU) の主要な記念事業の一つ「太陽系外惑星命名キャンペーン (IAU100 
NameExoWorlds)」が行われ、その最終結果が2019年12月17日にIAUより発表さ
れました。
 このキャンペーンには、世界中の100を超える国と地域が参加を表明し、1つ
の国・地域につき1組の恒星とそれを周回する太陽系外惑星の名称を提案する
機会が提供されました。各国・地域から提案された名称は、IAUの専門委員会
による審査を経た上で最終的に決定されました。今回は100余りの太陽系外惑
星系に、キャンペーンに参加した国・地域の歴史や文化を体現する多様な名称
が付けられました。

 日本には、かんむり座の方向にある恒星「HD 145457」とそれを公転する巨
大ガス惑星「HD 145457 b」の名称を提案する機会が割り当てられました。こ
の太陽系外惑星系は、国立天文台のすばる望遠鏡と岡山天体物理観測所 (当時) 
188センチメートル反射望遠鏡を用いた観測で、2010年に発見されました。
 この太陽系外惑星系の名称を2019年6月から9月にかけて一般募集したところ、
696組もの応募がありました。一次選考委員会で絞り込まれた名称から、国内
各界の有識者から成る特別選考委員会による審査・投票が行われ、そこで最上
位を得た名称をIAUに提案しました。そして、IAUの専門委員会の最終審査を経
た結果、恒星 (主星) に「カムイ」、惑星に「ちゅら」と命名されることが決
まりました。これらの名称はそれぞれ、アイヌ語、琉球語から選ばれています
が、2019年が国際連合の定める「国際先住民族言語年」であることも勘案され
ています。「カムイ」、「ちゅら」という名称に共通するのは、日本における
自然に対する尊敬と畏怖の思いです。
 今回の「太陽系外惑星命名キャンペーン」で決定された名称は、公式な天体
名として今後も世界中で広く使われていくことになります。

 ▽太陽系外惑星系の名称決定、日本からの命名は「カムイ」、「ちゅら」
  https://www.nao.ac.jp/news/topics/2019/20191217-exoworlds.html

 ▽太陽系外惑星命名キャンペーン
  https://prc.nao.ac.jp/iau/exoworlds2019/

 ▽IAU100 NameExoWorlds (IAU)
  http://www.nameexoworlds.iau.org/


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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2019年12月27日

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