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国立天文台 メールニュース No.198 (2018年11月30日発行)
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■理科年表 2019 刊行
■12月13日、14日の夜を中心にふたご座流星群が活発に
■藤川さんと岩本さんが新彗星を発見
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■理科年表 2019 刊行
『理科年表』 (国立天文台 編) は、暦、天文、気象、物理/化学、地学、
生物、環境の7部門からなる科学全般を網羅したデータブックです。その2019
年版が刊行されました。
暦部では、2019年に2回、2020年にも1回と、短い期間に日本全国で日食が
見られることについて、「日食の周期」というトピックスとして解説してい
ます。この解説は理科年表オフィシャルサイトのみでの限定公開となります。
天文部では、次の3つのトピックスを採り上げています。「Hyper Suprime-
Camの初期成果」では、すばる望遠鏡の性能を最大限に生かす超広視野主焦点
カメラHyper Suprime-Cam (ハイパー・シュプリーム・カム) の驚くべき初期
成果について紹介しています。「電磁波同定された重力波天体」では、重力波
と電磁波によるマルチメッセンジャー天文学の幕開けとなった中性子星どうし
の合体による重力波の初検出について、「太陽観測史上最強の黒点磁場」で
は、太陽観測衛星「ひので」で捉えた観測史上最強の磁場を持つ太陽黒点とそ
の発生メカニズムについて解説しています。
物理/化学部では、リニア新幹線などで実用化が進む「超伝導体」を更新、
「シンクロトロン放射」も全面改訂しました。地学部では、2018年9月に発生
した北海道胆振 (いぶり) 東部地震を含むさまざまな情報を更新しました。生
物部では、「植物分類表」を全面改訂、「ヒト染色体の遺伝子地図」も最新の
情報に更新し、トピックスでは「温暖化による生物・生態系への影響」につい
て紹介しています。
理科年表は多数の研究機関の協力の下に国立天文台が編さんする、日本で最
も信頼されている「自然界の辞典」です。大正14 (1925) 年に創刊されました
が、第2次世界大戦中に休刊していた時期があり、今号が第92冊となります。
創刊号から最新号までのデータを集録した『理科年表プレミアム 個人版』も
ぜひご利用ください。
理科年表オフィシャルサイトでは、これまでのトピックスやその後日談を順
次掲載しています。また、環境データに特化した『環境年表 2019-2020』 (国
立天文台 編) も刊行されます。関連するデジタルデータや授業に活用するた
めのワークシートも理科年表オフィシャルサイトにて公開しています。こちら
も併せてご利用ください。
▽理科年表オフィシャルサイト
https://www.rikanenpyo.jp/
■12月13日、14日の夜を中心にふたご座流星群が活発に
毎年12月中旬には、三大流星群の一つである「ふたご座流星群」が活発に活
動します。
今年は12月13日と14日の夜を中心に、流星が多く出現すると予想されていま
す。最も多いときで1時間当たり40個程度の流星を見ることができそうです。
今年は月が上弦に近いため、夜早い時間には月明かりによって暗い流星の観
察が妨げられます。しかし、月が沈んだ後は月明かりがなくなり、たいへんよ
い条件で観察ができるようになります。観察する方角はどちらでも構いません。
できるだけ空を広く見渡せる場所で観察してください。
今年のふたご座流星群についての詳しい解説は、国立天文台ウェブサイトの
「ふたご座流星群2018」をご覧ください。
国立天文台は、このふたご座流星群を観察し見えた流星の個数などを報告し
ていただくキャンペーン「ふたご座流星群を眺めよう 2018」を実施します。
観察期間は12月12日夜から12月15日朝までです。キャンペーンウェブサイトで
は、観察報告を受け付けるほか、観察のポイントやふたご座流星群の流星かど
うかの見分け方なども紹介しています。このサイトを参考に、ぜひ流星群を観
察して報告をお送りください。
▽ふたご座流星群2018
https://www.nao.ac.jp/astro/feature/geminids2018/
▽ふたご座流星群キャンペーン「ふたご座流星群を眺めよう 2018」
https://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/201812-geminids/
■藤川さんと岩本さんが新彗星を発見
香川県観音寺市の藤川繁久 (ふじかわしげひさ) さんと、徳島県阿波市の
岩本雅之 (いわもとまさゆき) さんは、11月7日 (世界時、以下同じ) の観測
で、おとめ座方向に新彗 (すい) 星を独立発見しました。
この発見は、通報を受けた国立天文台から国際天文学連合小惑星センターに
報告され、「C/2018 V1」という認識符号が付けられました。
この天体は、米国カリフォルニア州のD.E.マックホルツ (Machholz) さんが
同日のより早い時刻に発見していたことから、通称名は「マックホルツ・藤川・
岩本 (Machholz-Fujikawa-Iwamoto) 彗星」となりました。
この天体の発見日時と発見等級は次のとおりです。
2018年11月7.5306日 = 11月7日12時44分 10.5等 (マックホルツさん)
2018年11月7.8227日 = 11月7日19時45分 12.0等 (藤川さん)
2018年11月7.8410日 = 11月7日20時11分 10等 (岩本さん)
日本人による新彗星の発見は、2013年3月の岩本さんによる「岩本彗星
(C/2013 E2)」以来となります。
▽新彗星を日本の天体捜索者が独立発見
https://www.nao.ac.jp/news/topics/2018/20181109-comet.html
▽日本人が発見した彗星一覧
https://www.nao.ac.jp/new-info/comet.html
▽CBET No. 4569 : NEW COMET = TCP J12192806-0211143 (2018 Nov 8)
CBET No. 4572 :
COMET C/2018 V1 (MACHHOLZ-FUJIKAWA-IWAMOTO) (2018 Nov 11)
▽MPEC 2018-V151 :
COMET C/2018 V1 (Machholz-Fujikawa-Iwamoto) (2018 Nov 11)
https://minorplanetcenter.net/mpec/K18/K18VF1.html
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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2018年11月30日