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佐藤裕久
投稿日時: 2018-11-9 15:13
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 1922
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国立天文台 メールニュース No.197

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   国立天文台 メールニュース No.197  (2018年11月9日発行)
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■外層が大きく剥がれた星の超新星爆発
■都築氏が第21回光設計賞 光設計優秀賞を受賞
■第26回 自然科学研究機構シンポジウム
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■外層が大きく剥がれた星の超新星爆発

 2017年、連星を成す二つの中性子星の合体現象が、重力波と電磁波を用いた
観測によって世界で初めて捉えられました。実は、中性子星どうしの連星が作
られる条件はたいへん難しく、その形成過程はこれまで明らかになっていませ
んでした。この問題を解決するために考えられているのが、中性子星と連星を
構成している星の外層が大きく剥がれ、その状態で超新星爆発を起こすと中性
子星どうしの連星が作られる、というシナリオです。これとよく一致する超新
星が、このたび過去の観測データから発見されました。

 二つの中性子星から成る連星が形成されるためには、連星を作る二つの大質
量星それぞれが超新星爆発を起こす必要があります。二つのうち、より重い星
が先に爆発をして中性子星が作られます。この際には、連星系の全質量の一部
が放出されるのみで、連星系は維持されることが多いと考えられます。一方、
引き続き残りの星が通常の超新星爆発を起こすと、連星系の全質量の大部分が
一気に失われ力学的に不安定になります。その結果、連星系が壊れてしまい、
中性子星どうしの連星が形成されないのです。では、中性子星の連星はどのよ
うにして作られるのでしょうか。
 この疑問に対して、国立天文台の研究者を含む研究チームは、2013年に次の
ような予測を立てました。後から超新星爆発を起こす星は、先の爆発で作られ
た中性子星の重力の影響で、水素やヘリウムでできた星の外層がほとんど剥が
れてしまう場合があります。この状態で超新星爆発を起こすと、爆発で放出さ
れる質量が極めて少ないために力学的に不安定にならず、連星系が壊れること
はありません。こうして中性子星どうしの連星が形成されると考えることがで
きます。さらにこの場合、後から爆発する星は爆発の直前に希薄な広がったヘ
リウムの層を周りに形成する可能性があることも指摘しました。
 そして、今回、2014年に米国の研究者らが観測したデータから、この理論予
測とたいへんよく一致する超新星を発見しました。この超新星は、通常の超新
星よりも爆発エネルギーが小さく、爆発時に放出された質量が極めて少ないこ
とを示していました。さらに、超新星爆発後に行われた分光観測から、この天
体の周囲には希薄なヘリウムの層が広がっていることが分かりました。これら
の観測結果は、理論予測した外層が大きく剥がれた超新星の特徴とよく一致し
ていることから、中性子星どうしの連星を形成すると考えられる超新星爆発を、
世界で初めて捉えた観測と言えます。

 ▽中性子星の連星をつくる、外層が大きく剥がれた星の超新星爆発を発見
  https://www.nao.ac.jp/news/science/2018/20181012-theory.html


■都築氏が第21回光設計賞 光設計優秀賞を受賞

 第21回光設計賞において、国立天文台 先端技術センターの都築俊宏 (つづき
としひろ) 技術員が光設計優秀賞を受賞しました。受賞対象となったテーマは
「次世代超大型望遠鏡TMT/第一期観測装置IRISの光学設計 ―Co-axis double 
TMAを利用した極低収差、高スループット光学系の実現―」です。
 次世代超大型望遠鏡TMT (Thirty Meter Telescope) は、口径30メートルの
巨大望遠鏡を日本を含む5カ国の協力で建設する野心的な計画です。この望遠
鏡完成後には、3つの観測装置が稼働し初期観測を行う予定で、その一つが近
赤外撮像分光装置 IRIS (アイリス) です。都築氏は、このIRISの撮像部の光学
設計に求められる極めて良好な結像性能を達成するための設計解を導き出し、
それが評価されました。またこの設計が大きな国際プロジェクトで採用された
実用性についても特筆すべき点とされました。

 光設計賞は、一般社団法人 日本光学会 光設計研究グループにより「光設計」
分野における技術交流・研究活性化を目的として、年に一度同分野に関連する
優れた研究・技術・発明を表彰するものです。第21回光設計賞の授与式および
記念講演会は、東京都内で開催された日本光学会年次学術講演会 (Optics & 
Photonics Japan 2018) 会期中の2018年10月31日に行われました。

 ▽都築氏が第21回光設計賞 光設計優秀賞を受賞
  https://www.nao.ac.jp/news/topics/2018/20181109-award.html

 ▽光設計賞
  一般社団法人 日本光学会 光設計研究グループ
  http://www.opticsdesign.gr.jp/hikari.html

 ▽光設計賞 光設計優秀賞 (詳細)
  http://www.opticsdesign.gr.jp/hikari_21st-2.html

 ▽国立天文台TMT推進室
  https://tmt.nao.ac.jp/


■第26回 自然科学研究機構シンポジウム

 第26回 自然科学研究機構シンポジウムを、来る12月8日に東京国際交流館 
(東京都江東区) にて開催いたします (注)。
 今回のテーマは「“超越”への“挑戦”〜科学技術によって人類はどのよう
に壁を乗り越えるのか?〜」です。科学の第一線で活躍する研究者による5つ
の講演のほか、自然科学研究機構の研究所についてパネル展示で紹介します。
プログラム等の詳細は自然科学研究機構シンポジウムのウェブサイトをご覧く
ださい。
 多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 開催概要
 テーマ:“超越”への“挑戦”
     〜科学技術によって人類はどのように壁を乗り越えるのか?〜
 日時:2018年12月8日 (土) 12:50-16:40 (開場 12:00)
 会場:東京国際交流館 (プラザ平成3階)  国際交流会議場 
    (東京都江東区青海2-2-1 国際研究交流大学村内)
    https://www.jasso.go.jp/ryugaku/kyoten/tiec/access.html
 主催:大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 参加費:無料
 参加方法:
  事前のお申し込みが必要です (定員400名、先着順)
  定員に達し次第、参加のお申し込みを終了します
 内容:自然科学研究機構シンポジウムのウェブサイトをご覧ください
 その他:当日は講演のインターネットライブ配信を予定しています

 注:当初は9月30日 (日) に開催予定でしたが、台風接近による荒天が予想
   されたために中止となりました。9月に参加のお申し込みをいただいた
   方も、新たに事前のお申し込み (先着順) が必要となります。なにとぞ
   ご了承ください。

 ▽第26回 自然科学研究機構シンポジウム (自然科学研究機構)
  https://www.nins.jp/site/connection/sympo26.html


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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2018年11月9日

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