Rbgn^[z[y[W
メイン
   天文掲示板
     へびつかい座に新星が出現
投稿するにはまず登録を

スレッド表示 | 新しいものから 前のトピック | 次のトピック | 下へ
投稿者 スレッド
佐藤裕久
投稿日時: 2024-3-13 7:59
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 2505
オンライン
へびつかい座に新星が出現

                            VSOLJニュース(386)

                         へびつかい座に新星が出現


                                              著者:前原裕之(国立天文台)
                                      連絡先:hiroyuki.maehara@nao.ac.jp

 3月10日にへびつかい座の中に新星が発見されました。この新星を最初に発見、
報告したのは群馬県の小嶋正(こじまただし)さんで、3月10.775日(世界時; 以下
同様)に撮影した画像から11.5等級の新天体を発見しました。さらに、山形県の
板垣公一(いたがきこういち)さんや三重県の中村祐二(なかむらゆうじ)さん、愛
知県の山本稔(やまもとみのる)さん、香川県の藤川繁久(ふじかわしげひさ)さん、
オーストラリアのAndrew Pearceさんもこの天体を独立に発見しました。それぞ
れの方々の発見日時、等級は以下の通りです。

3月10.772日  11.3等  Andrew Pearce
   10.775日  11.5等  小嶋正
   10.797日  11.1等  中村祐二
   10.807日  11.1等  山本稔
   10.818日  10.9等  板垣公一
   10.825日  10.4等  藤川繁久
   
 山本さんの観測によると、この天体は発見前日の9.81日には15等よりも暗かっ
たことが分かっています。発見前後の観測結果から、この天体は3月9日から10
日にかけての1日ほどの間に急激な増光を始め、まだ明るくなりつつある途中で
発見されたものと考えられます。板垣さんの観測によると、この天体の正確な位
置は

赤経: 17時39分57.09秒
赤緯: -26度27分41.8秒   (2000.0年分点)

です。 
 この天体の分光観測は、発見直後の3月10.84日に広島大学の口径1.5m かなた
望遠鏡を用いて行なわれました。その結果、この天体のスペクトルにはP Cyg
プロファイルを示す幅の広い水素のバルマー系列や中性ヘリウムの輝線がみら
れることが分かり、この天体が爆発直後の古典新星であることが確認されまし
た。今後の明るさの変化が注目されます。
 なお、この新星にはへびつかい座V4370(V4370 Oph)との変光星名が付けられま
したので、今後の観測報告にはこの名称をお使い下さい

                                                         2024年 3月13日

新星の画像
・板垣さん撮影
http://www.k-itagaki.jp/images/Oph-2024-03.jpg
・吉本さん撮影
http://orange.zero.jp/k-yoshimoto/TCP_J17395720-2627410_20240311.jpg


参考文献
CBAT "Transient Object Followup Reports" TCP J17395720-2627410
CBAT "Transient Object Followup Reports" TCP J17395699-2627413
CBET 5365:  V4370 OPHIUCHI = NOVA OPHIUCHI 2024
Uemura,M., Nakaoka, T., 2024, ATel #16521

スレッド表示 | 新しいものから 前のトピック | 次のトピック | トップ

投稿するにはまず登録を
 
© 1999 Tsutomu Seki.