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佐藤裕久
投稿日時: 2018-3-30 11:34
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 2503
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国立天文台 メールニュース No.188

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   国立天文台 メールニュース No.188  (2018年3月30日発行)
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 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象などを、メールで
 お届けする不定期発行のニュースです。
 どなたでも無料でニュースを受け取ることができます。

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■超広視野主焦点カメラHSCの初期成果がまとまる
■すばる望遠鏡が捉えた宇宙を身近に
■天文学者による出張授業「ふれあい天文学」
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■超広視野主焦点カメラHSCの初期成果がまとまる

 すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam (ハイパー・
シュプリーム・カム、以下HSC)」は、2014年の本格観測開始以降、順調に観測
を続けています。
 HSCは、国立天文台が東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機
構 (カブリIPMU) ほかの国内外の研究機関と共に開発したカメラで、すばる望
遠鏡の主焦点に搭載することで、満月9個分に相当する天域を一度に撮影でき
る広視野かつ高解像度のカメラです。
 国立天文台、東京大学の研究者を始めとする研究チームは、このHSCの性能
を生かし、従来のカメラでは観測できなかった遠方の暗い天体を、1000平方度 
(満月5000個分) もの広範囲にわたって撮影する大規模な探査観測を進めていま
す。この観測データから、ダークマターの大局的な分布をこれまでにない精度
で調査し、宇宙の加速膨張の謎に迫ろうとしています。この観測は2019年末ま
で続けられる予定です。
 この大規模探査の最初の2年の観測データに基づく初期成果がまとめられ、
『日本天文学会欧文研究報告』のHSC特集号 (2018年1月) に掲載されました。
この特集号には、HSCで取得された観測データによるさまざまな研究成果が40
本の論文として収録されています。その内容は、太陽系天体から、銀河、銀河
団、宇宙論など多岐にわたり、多くの研究分野で有用なデータであることを物
語っています。

 ▽超広視野主焦点カメラ HSC の初期成果がまとまる
  https://www.subarutelescope.org/Topics/2018/02/26/j_index.html

 ▽かつてない広さと解像度のダークマター地図
  https://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2018/02/26/j_index.html

 ▽日本天文学会欧文研究報告
  Publications of the Astronomical Society of Japan
  Special Issue: Subaru Hyper Suprime-Cam Survey (日本天文学会) (英語)
  https://academic.oup.com/pasj/issue/70/SP1


■すばる望遠鏡が捉えた宇宙を身近に

 すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam (ハ
イパー・シュプリーム・カム、以下HSC)」を使った、大規模な戦略枠観測プロ
グラムが2014年以降現在も進められています。2014年から1年8カ月の間にHSC
で取得された第1期観測データが、2017年2月に全世界に公開されました。満月
600個分を超える広い天域の観測データであり、世界中の誰もがこのデータを
利用することが可能です。
 国立天文台は、HSCが捉えた詳細な宇宙の姿を研究者だけでなく多くの人に
手軽に見てもらえるように、研究者用アプリケーション「hscMap」をベースに
した専用の画像閲覧サイトを構築・公開しました。パソコンやタブレットのブ
ラウザを使い、インターネット経由でHSCのデータベースへアクセスしていた
だく方式です。
 専用サイトの初期画面を拡大していくと、始めは何も見えなかった暗い領域
にもたくさんの点が見えてきて、さらに拡大するとそれらの点の一つ一つが銀
河であることが分かります。個々の銀河の色、大きさ、形など一つ一つの銀河
の姿を見分けることができます。また、「オススメ天体」というメニューを利
用すると、プレアデス星団 (M45) やアンドロメダ銀河 (M31) などの有名な天体
を始め、重力レンズ天体や銀河同士の相互作用で変形した銀河といった珍しい
姿の天体を楽しむこともできます。
 HSCによる観測画像からは、銀河同士のすれ違いや衝突といった相互作用の
影響で変形した銀河が多数見つかります。このような相互作用で変形した銀河
を、膨大なHSCの公開データの中から判別し探し出す作業は、市民が参加し天
文学研究に貢献できるテーマの一つです。現在国立天文台は、HSCの公開デー
タを活用した市民参加のプログラムを開発中です。

 ▽すばるのデータで宇宙旅行
  http://prc.nao.ac.jp/citizen-science/hscv/index.html

 ▽すばる望遠鏡がとらえた宇宙を身近に 〜「HSC ビューワ」を公開〜
  https://www.subarutelescope.org/Topics/2018/03/07/j_index.html

 ▽超広視野主焦点カメラ HSC による大規模観測データ、全世界に公開開始
  https://www.subarutelescope.org/Topics/2017/02/27/j_index.html


■天文学者による出張授業「ふれあい天文学」

 国立天文台は、多くの小中学生に天文学に興味や親しみを持っていただくこ
とを目的に、天文学者が全国各地の小学校・中学校に出向いて授業を行う事業
「ふれあい天文学」を2010年度より毎年実施しています。例年、40名以上の天
文学者がこの「ふれあい天文学」を通じて、星の誕生のしくみ、ブラックホー
ルの不思議といった天文学の話題を各地の教室に届けています。
 2018年度も引き続き出張授業「ふれあい天文学」を実施します。現在、この
実施校を募集中です。応募の締め切りは2018年5月31日です。授業の内容や実
施日程については相談の上で決定します。
 実際の授業の例、応募方法等の詳細についてはウェブサイトをご覧ください。
 今年度はあなたの学校で「ふれあい天文学」の授業を開催してみませんか。

 この事業は、国立天文台天文学振興募金に寄せられた多くの皆様からのご厚
意により成り立っています。今後の事業継続のため、皆様のご理解とご支援を
お待ちしております。

 ▽出張授業「ふれあい天文学」実施校募集中
  https://www.nao.ac.jp/news/topics/2018/20180326-fureai.html

 ▽ふれあい天文学
  http://prc.nao.ac.jp/delivery/

 ▽天文学振興募金
  https://www.nao.ac.jp/bokin/


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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2018年3月30日

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