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佐藤裕久
投稿日時: 2017-5-24 13:05
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 1792
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国立天文台 メールニュース No.175

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    国立天文台 メールニュース No.175  (2017年5月24日発行)
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 国立天文台のイベントや研究成果、注目したい天文現象や新天体発見情報
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■シミュレーションで描き出す小惑星カリクローの環の姿
■自然科学研究機構 若手研究者賞記念講演
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■シミュレーションで描き出す小惑星カリクローの環の姿

 小惑星「カリクロー」は、木星と海王星の間に位置するケンタウルス族の小
惑星の中では最大の天体です。このカリクローには2014年に2本の環の存在が
確認されており、しかも土星や天王星の環に匹敵するほど光の透過度が低いこ
とが分かっています。つまり、環を構成する氷や岩石の粒子がびっしりと隙間
なく存在していると考えられるのです。
 国立天文台天文シミュレーションプロジェクトの研究者らは、カリクローの
環の詳細な構造や、その形成・進化を明らかにするため、スーパーコンピュー
タ「アテルイ」 (注) を用いて、環を構成する粒子の運動のシミュレーション
を行いました。従来、土星などの環のシミュレーションでは、計算の高速化・
簡素化のために、実際よりも大きなサイズの粒子を仮定したり、環の一部につ
いて局所的に行ったり、という計算手法がとられていました。しかし、本研究
では、カリクローの環が土星の環と比較して小さいこと、計算コードの開発の
結果効率的な重力多体シミュレーションが可能になったことから、実際の粒子
サイズを考慮した上で、環全体を計算対象とするシミュレーションが初めて可
能になりました。
 シミュレーションの結果、環を構成する物質はカリクロー本体とは異なり、
より軽いもので構成されていることが分かりました。さらに、環を構成する粒
子の自己重力によって「ウェイク構造」と呼ばれるさざ波のような構造が生じ
ること、環の寿命が従来推定されていたよりもとても短く最長でも100年程度
になる可能性があることも明らかになりました。
 今回得られた結果では、環の寿命が短すぎて、約1000万年前に木星や土星の
ような巨大惑星に接近した際の潮汐 (ちょうせき) 力でカリクロー本体が破壊
されその破片から環が形成された、という従来の説では現在の環の存在を説明
できません。現在までカリクローの環が長く保たれていることを説明するには、
次の2つの可能性が考えられます。一つは、環の近くに未知の衛星が存在する
こと、もう一つは、環の粒子サイズがもっと小さいことです。いずれにせよ、
今回得られたシミュレーションの結果と実際のカリクローの環の存在の整合性
について説明できるモデルはまだありません。研究チームは環の形成シナリオ
を解明するための研究をさらに続けていきます。

 注:アテルイは、国立天文台天文シミュレーションプロジェクトが運用する
   数値計算専用スーパーコンピュータ Cray XC30システム。2014年9月の
   アップグレード以降の理論演算性能は1.058ペタフロップス。

 ▽小惑星カリクローを取り巻くさざ波の環
  ―実スケールシミュレーションが初めて描き出す小惑星の環の姿―
  http://www.cfca.nao.ac.jp/pr/20170428

 ▽天文学専用スーパーコンピュータ「アテルイ」、さらに2倍の計算速度へ
  http://www.nao.ac.jp/news/topics/2014/20141113-aterui.html


■自然科学研究機構 若手研究者賞記念講演

 自然科学研究機構は、新しい自然科学分野の創成に熱心に取り組み成果をあ
げた優秀な若手研究者を表彰することを目的として、「自然科学研究機構若手
研究者賞」を設けています。その第6回受賞者による記念講演を、6月11日に行
います。記念講演に先立ち、同会場で授賞式も行われます。
 国立天文台からは、同賞を受賞した太陽プラズマ研究部/SOLAR-C準備室の
勝川行雄 (かつかわゆきお) 助教が記念講演を行います。皆様、奮ってご参加
ください。授賞式および記念講演のようすは、インターネットのライブ中継で
もご覧いただけます。

開催概要
 タイトル:
   「宇宙・生命・脳・物質・エネルギー」若手研究者による Rising Sun VI
    ―自然科学研究機構 若手研究者賞記念講演―
 日時:2017年6月11日 (日) 12:30から17:00まで (開場12:00)
 会場:日本科学未来館 7階 未来館ホール (東京都江東区青海2-3-6)
 主催:大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
 参加費:無料
 参加申し込み:
   ご参加には事前のお申し込みが必要です (締め切りは6月8日)
   学生およびその引率者からのお申し込みを優先して受け付けています
   詳細は下記の自然科学研究機構ウェブサイトをご覧ください
内容
 12:30- 若手研究者賞 授賞式
 12:40- 記念講演 (各35分、途中休憩あり)
   1:ダイナミックに変化する宇宙の姿
     勝川行雄 (国立天文台)
   2:波動モード変換を利用した超高密度プラズマ加熱への挑戦
     伊神弘恵 (核融合科学研究所)
   3:移動運動の神経制御をゼブラフィッシュで探る
     木村有希子 (基礎生物学研究所)
   4:脳の神経ネットワークの発達を探る
     石川理子 (生理学研究所)
   5:分子でつくる未来の超伝導エレクトロニクス
     須田理行 (分子科学研究所)
 16:00- 閉式
 16:10-17:00 ミート・ザ・レクチャラーズ ―講演者と直接語ろう―

 ▽自然科学研究機構 第6回若手研究者賞記念講演
  http://www.nins.jp/public_information/06risingsun.php


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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2017年5月24日
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