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佐藤裕久
投稿日時: 2017-2-17 18:18
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登録日: 2005-6-12
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投稿: 2503
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国立天文台 メールニュース No.170

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    国立天文台 メールニュース No.170  (2017年2月17日発行)
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■白崎氏が井上研究奨励賞、田中氏が井上リサーチアウォードを受賞
■春分の日にガイドツアーを開催[三鷹]
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■白崎氏が井上研究奨励賞、田中氏が井上リサーチアウォードを受賞

 国立天文台理論研究部の2名の研究者が、公益財団法人 井上科学振興財団に
よる井上研究奨励賞ならびに井上リサーチアウォードを受賞しました。この授
賞式および贈呈式は、2017年2月3日に都内にて執り行われました。

 第33回 (2016年度) 井上研究奨励賞を受賞したのは、理論研究部の白崎正人 
(しらさきまさと) 研究員 (注1) です。受賞対象となった博士論文の題目は
 「弱重力レンズ統計を用いた暗黒エネルギーと暗黒物質の観測的検証」です。
 暗黒物質と暗黒エネルギーは、宇宙の全エネルギーの96パーセントを占める
とされながらも、その性質についてはほとんど解明されていません。その性質
を調べる手段の一つに重力レンズ効果を利用した遠方銀河の観測があります。
白崎氏は、この観測結果の解析方法について異なる2つの手法を調査し、それ
らの有用性と応用の可能性を博士論文にまとめました。
 井上研究奨励賞は過去3年の間に、理学、医学、薬学、工学、農学等の分野
で優れた博士論文を提出した若手研究者に対して与えられます。

 理論研究部の田中雅臣 (たなかまさおみ) 助教 (注2) は、第9回 (2017年度) 
井上リサーチアウォードを受賞しました。受賞対象となった研究の題目は「重
力波源の電磁波対応天体の同定と元素の起源の解明」です。
 ブラックホール合体に起因する重力波の初の直接検出以降、宇宙を探る新た
な手段として重力波天文学が脚光を浴びています。中性子星の衝突合体現象も
また、重力波源となり得ますが、この際に放射される電磁波を捉えることで、
重力波源の位置が精度よく決まるとともに、重力波源がどのような天体かを明
らかにできます。さらに、中性子星合体がもたらす重元素の合成過程を直接観
測できると期待されています (注3)。
 田中氏は、中性子星合体や超新星爆発といった宇宙の爆発現象を主な研究対
象としています。シミュレーションで超新星爆発の瞬間の特性を明らかにし、
それを確かめるために天空の広域探査観測を行ってきました。さらに中性子星
合体で放出される電磁波の特性をシミュレーションで導き、今後期待される重
力波源からの電磁波の検出のための重要な指標としています。
 折しも、日本とイタリアの重力波望遠鏡の観測開始が近く、また、すばる望
遠鏡と超広視野主焦点カメラを用いた広域観測も本格的に始まっていることか
ら、今後は重力波源の電磁波対応天体の同定が期待されます。田中氏の研究は、
今後の人類の知見を大きく飛躍させる可能性のある研究として評価されました。
 井上リサーチアウォードは、自然科学の基礎的研究で優れた業績を挙げ、さ
らに開拓的発展を目指す若手研究者の独創性と自立を支援することを目的とし
て授与されます。

 田中氏は、博士論文「超新星爆発の三次元構造」で第28回 (2011年度) 井上
研究奨励賞を受賞しています。

 注1:日本学術振興会特別研究員
 注2:総合研究大学院大学 物理科学研究科天文科学専攻 助教 (併任)
 注3:従来、宇宙における重元素は超新星爆発によって合成されると考えら
   れてきましたが、現在はそれだけではなく、中性子星合体による重元素
   合成も有力視されています

 ▽理論研究部の研究者が井上研究奨励賞,井上リサーチアウォードを受賞
  http://th.nao.ac.jp/news/inoue_award_20170217.html

 ▽公益財団法人 井上科学振興財団
  http://www.inoue-zaidan.or.jp/


■春分の日にガイドツアーを開催[三鷹]

 来る3月20日の春分の日に、国立天文台三鷹キャンパス内施設をガイドの解説
を聞きながらめぐる「春分の日ガイドツアー」を開催します。
 東京天文台時代、日本の時刻決定の基準点だった大子午儀の台座跡地にある
「日本中央標準時決定子午儀跡」の石碑、国の重要文化財に指定されたレプソ
ルド子午儀等が納められた「子午儀資料館」、かつて子午儀で観測された時刻
をもとに報時信号の発信を行っていた「三鷹国際報時所」の跡など、「時」と
「暦」に関連する施設や施設跡をガイドがご案内します。
 皆様、奮ってご参加ください。

 開催概要:春分の日ガイドツアー
 日時:2017年3月20日 (月・祝)
    (1) 11:30-13:00
    (2) 13:30-15:00
    (3) 15:30-17:00
 場所:国立天文台 三鷹キャンパス内
 定員:各回20名 (計60名)
 参加費:無料
 参加方法:
  事前に参加のお申し込みが必要です
  ウェブまたは往復はがきでお申し込みください
  お申し込み期間は 2月20日正午から3月9日正午までです
  申し込み人数が定員を超えた場合は抽選を行います
 その他:
  雨天決行
  当日のコースや参加お申し込み方法等についての詳細は、ウェブサイトを
  ご覧ください

 ▽春分の日ガイドツアー
  http://prc.nao.ac.jp/museum/equinox/

 ▽国立天文台三鷹キャンパス 公開施設
  http://www.nao.ac.jp/access/mitaka/facilities/


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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2017年2月17日

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