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     さそり座に11等級の新星が出現
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佐藤裕久
投稿日時: 2016-9-10 15:21
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登録日: 2005-6-12
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投稿: 2505
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さそり座に11等級の新星が出現

                         VSOLJニュース(328)

                    さそり座に11等級の新星が出現

                                           著者:前原裕之(国立天文台)
                                      連絡先:h.maehara@oao.nao.ac.jp

 夕方暗くなると晴れていれば南西の空に火星と土星、アンタレスの3つの明る
い星を見ることができると思います。アンタレスの属するさそり座は私達の天
の川銀河の中心方向の近くに見える星座のため、これまでに多数の新星が発見
されています。そのさそり座の中に新たな新星が発見されました。新星を発見
したのはチリにある4台の口径14cmの望遠鏡とCCDカメラで超新星のサーベイを
行なっているAll-Sky Automated Survey for Supernovae (ASAS-SN, "Assassin")
のグループと、香川県観音寺市の藤川繁久(ふじかわしげひさ)さんです。藤川
さんは9月6.481日(世界時、以下同様)に撮影した画像から11.6等の新天体を、
またASAS-SNのグループは9月7.00日に撮影した画像から11.4等の新天体をそれ
ぞれ独立に発見しました。ASAS-SNによって9月6日に撮影された画像にはこの
天体は12.1等で既に写っていましたが、その前日の5日に藤川さんが撮影した
画像には12.9等よりも明るい天体は写っていなかったことが報告されており、
この天体は9月5日と6日の間に明るくなったものと考えられます。ASAS-SNの観
測によると、この天体の位置は

赤経:17時22分51.43秒
赤緯:-31度58分36.3秒   (2000.0年分点)

です。
 この天体の分光観測はオーストラリアのT. Bohlsenさんや、チリのラスカン
パナス天文台の2.5mデュポン望遠鏡、兵庫県立大学西はりま天文台の2mなゆた
望遠鏡によってそれぞれ行なわれ、この天体のスペクトルには水素のバルマー
系列の他、1階電離した鉄やカルシウム、中性の酸素などの輝線がみられるこ
とが分かりました。また水素のバルマー系列や鉄、酸素の輝線はP Cygniプロ
ファイルを示し、秒速800-900kmほど青方偏移した吸収構造がみられることも
分かりました。これらのスペクトルの特徴から、この天体は古典新星であるこ
とが確認されました。

                                                         2016年9月10日

参考文献
Stanek et al. 2016, ATel #9469
Bohlsen 2016, ATel #9477
Prieto et al. 2016, ATel #9479
CBET 4320: NOVA SCORPII 2016 No. 2 = PNV J17225112-3158349
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