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佐藤裕久
投稿日時: 2020-8-7 12:20
モデレータ
登録日: 2005-6-12
居住地: 日本
投稿: 2503
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国立天文台 メールニュース No.219

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   国立天文台 メールニュース No.219(2020年8月7日発行)
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■今の宇宙に残された、形成初期の銀河を発見
■8月12日の夜を中心にペルセウス座流星群が活発に
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■今の宇宙に残された、形成初期の銀河を発見

 誕生したばかりの宇宙に存在していた元素は、ほぼ水素とヘリウムだけでし
た。それ以外の重い元素は、宇宙の長い歴史の中で、恒星の中心で起こる核融
合反応を通じて作られてきました。このため、宇宙初期に作られた銀河には、
酸素のような重い元素はほとんど含まれていません。このような宇宙初期に存
在していたような、重い元素を含まない形成初期の銀河が、今の宇宙にも残っ
ている可能性があるのです。

 すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(ハイ
パー・シュプリーム・カム、以下HSC)で撮影された大規模な画像データの中
には、数千万個にも及ぶ天体が含まれています。東京大学や国立天文台の研究
者から成る国際研究チームは、HSCで得られた大規模データから、形成初期の
銀河を探すことを試みました。
 研究チームはこの目的のために、機械学習を用いた新たな研究手法を開発し
ました。理論モデルから形成初期の銀河の詳細な色を予想し、それを繰り返し
学習させたコンピュータを使って、画像データの中から形成初期の銀河の候補
を探し、絞り込むのです。絞り込んだ天体について、すばる望遠鏡やケック望
遠鏡を用いた分光観測を行い、銀河に含まれる酸素の量を測定しました。酸素
含有量は、銀河に含まれる星が形成からどの程度たっているかを推測するのに
役に立ちます。
 解析の結果、ヘルクレス座の方向、4.3億光年の距離にある銀河
「HSC J1631+4426」の酸素の含有率が、太陽の1.6パーセントしかないことが
分かりました。銀河の酸素含有率としては、これまで知られている中で最小値
となります。これほど酸素の含有率が小さいということは、この銀河の中のほ
とんどの星がごく最近作られたことを意味しています。さらに、この銀河の中
の星の総質量が太陽の質量の80万倍と、天の川銀河のわずか10万分の1ほどで、
極めて軽い銀河であることも分かりました。この銀河では、活発な星形成が行
われていること、大多数の星が約1千万年(宇宙年齢の0.07パーセント)という
短時間で作られたであろうことから、研究チームは、この銀河は形成初期の銀
河であると結論づけました。
 この研究結果は、宇宙と銀河の進化を解明するための重要な知見であり、研
究チームはこの銀河の観測研究をさらに進めています。

 ▽今の宇宙に残された、形成初期の銀河を発見
  ―すばる望遠鏡と機械学習で銀河の酸素量の世界記録を更新―
  https://subarutelescope.org/jp/results/2020/07/31/2878.html


■8月12日の夜を中心にペルセウス座流星群が活発に

 毎年8月中旬には、三大流星群の一つである「ペルセウス座流星群」が活発
に活動します。
 今年は8月12日の夜を中心に、流星が多く出現します。流星群の活動が極大と
なるのは、8月12日22時頃と予想されていますが、放射点が高く昇り流星群を
観察しやすくなる時間帯には月明かりが夜空を照らします。そのため、見える
流星の数は条件の良い年よりは少ないでしょう。それでも月はそれほど明るく
ないため、月が視界に入らないように観察すれば、まずまずの数の流星を見る
ことができそうです。よく晴れた夜、空の暗い場所で観察すると、見られる流
星の数は最大で1時間あたり30個程度と予想されています。

 流星は空のどこに出現するか分かりません。観察する方角はどこでも構いま
せん。今回は、月が視界に入らないような範囲で、なるべく空を広く見渡すよ
うにしてください。また、目が周囲の暗さに慣れるまで、最低でも15分ほどは
観察を続けるのがよいでしょう。レジャーシートなどに横たわって、楽な姿勢
で観察するのもお勧めです。その際は周囲に気をつけて、事故に遭わないよう
に注意してください。

 ▽ほしぞら情報(2020年8月)
  ペルセウス座流星群が極大(2020年8月)
  https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/08-topics02.html

 ▽ペルセウス座流星群
  https://www.nao.ac.jp/astro/basic/perseid.html

 ▽流星群
  https://www.nao.ac.jp/astro/basic/meteor-shower.html


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発 行:国立天文台 天文情報センター 広報室
発行日:2020年8月7日


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