VSOLJ ニュース (256)
師走のはしりに超新星発見
著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@phys.kyushu-u.ac.jp
山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんは、さまざまな種類の天体を発見
してきている天体捜索家です。先日も、彗星捜索の副産物として、WZ Sge型の
矮新星を発見した(VSOLJニュース 255)ところですが、板垣さんといえば何と
言っても超新星の発見で高名です。その板垣さんが、新たな超新星を発見され
ました。明るくなっている最中のもののようです。
板垣さんは12月2.473日(世界時、以下同様)に、山形市内に設置した60cm望
遠鏡で撮影した画像から、うお座の無名銀河に16.9等の新しい光点に気付きま
した。光点の位置は(板垣さんの測定)、
赤経 23時16分09.58秒
赤緯 -2度14分05.3秒
で、母銀河の中心から西に5秒角、南に5秒角ほどの位置にあたります。板垣さ
んが11月21.447日に撮影した画像にもこの光点がかすかに写っており、また宮
城県大崎市の遊佐徹さんによっても確認され、公表されました。
母銀河の距離等も判然としませんが、今後の推移が注目されます。
板垣さんの発見画像 http://www.k-itagaki.jp/images/psn-1202.jpg
遊佐さんの確認画像 http://www.palette.furukawa.miyagi.jp/space/images/PSN_101203.jpg
参考文献:CBET 2564 (2010 Dec. 3)
2010年12月4日