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2016年08月13日

天文台の珍客

 夏になって、じめじめとする気候になると決まってお化けや怪談が幅を利かせます。ここ芸西天文台でも夏の妖怪はいまや常識となりましたが、そんな架空のものではなく現実に恐ろしい動物が時々天文台に来訪します。
 いまから20年近く昔ですが、私は天文台で観測していて熊を目撃しました。つい最近お隣の安芸市で熊が現れ、新聞で話題になりましたが、芸西はもっと田舎ですから熊が現れても不思議は在りません。いつも天文台に来るとき、東のけものみちの森に光るふたつの大きな目を見ます。これぞ森の主と思うのですが、その正体は不明です。犬や猫の目は夜光るのですが、それとはスケールが違う大きな目の玉です。
 実は今日は親戚の者が帰ってきて、小学生ですからその宿題に星を見に天文台にやって来ました。あいにくの曇り空で、上弦過ぎの月がやっと見られたのですが、早々に引き上げて、天文台から100mほど下の駐車場まで降りていました。ところが暗闇の道路いっぱいに異様な動物の群れを発見したのです。その群れは私たちの道をいっぱいになってふさいでいます。「すわ!クマがでた!?」と思って恐る恐る電燈を照らすと、なんとそこにはイノシシの一家が道路を渡ろうとしていたのです。親イノシシが先頭に。後ろに2頭。その間に無数の子供たちがよちよちと歩いているのです。イノシシは1頭くらいは時々見かけますすがこんな大勢は初めて。
 10年ほど前に、この辺りでニホンカモシカの一家らしい数頭が谷に下って行く光景をみました。やはり芸西は田舎中の大田舎です。どうやら近くの山中にこうした動物の巣があるらしく、近く探険してみましょうか。夜、観測中に谷底から得体の知れない動物たちの異様な鳴き声が聞こえます。


芸西天文台からの下り道に現れたイノシシの子連れ
写真撮影 清水記行氏