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2015年01月21日

なつかしのフィンレー彗星

 フィンレー周期彗星が、いま夕空に明るく見えています。1月19日夕刻の芸西天文台の観測では9.5等(写真では10.1等)でした。火星の少し東で、ここしばらく観測の好機が続くでしょう。しかし12月27日に近日点を過ぎており、これ以上明るくなることはないでしょう。
 15P/Finlayは、今から遠く1886年にCape(南アフリカ)のコメットハンター、Finlayによって初発見されました。175mm屈折で見た彗星は11等の恒星状でわずかなコマを持っていました。周期は6年半で次の1893年にもフィンレーが同じ望遠鏡で眼視的に発見しました。いまバーストしたという事で話題になっていますが本来は眼視的な明るい彗星なのです。
 「なつかしの...」と言ったのは、実は1919年の回帰の時には日本人が発見したのです。この年には位置予報が発表されておらず、京都大学で天文台の助手を務めていた若き佐々木哲夫氏が捜索中に10cmの屈折望遠鏡で発見しました。発見は同大学の山本一清氏の確認するところとなって、東京天文台、コペンハーゲン天文台とアメリカのハーバード大学天文台に打電されました。ところがその電報を見た東京天文台の神田茂技官が、これはフィンレー彗星の再来であることを発表したのでした。
 1974年の回帰の時には、芸西に出来たばかりの関観測所(現在の芸西天文台)で、21㎝反射望遠鏡で検出に成功しました。
 写真は尾を見せながら夕空に低く輝くフィンレー彗星です。

[15P/Finlay フィンレー彗星]
15P/Finlay
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2015年01月01日

謹賀新年

 あけましておめでとうございます。
 写真は12月30日の彗星(C/2014 Q2)と、それを追跡する芸西の70cmのテレスコープです。ISO 1600のフイルムに10分間の自動追尾が正確に働きました。彗星は肉眼で見える5等級で、北に3度の直線的なタイプIの尾を見せています。


C/2014 Q2 (Lovejoy)
ISO-1600フイルムで10分間露出


70cm望遠鏡とオリオン座