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2013年09月03日

アランフェス協奏曲

 ギタリストの稲垣稔さんが亡くなられて2か月以上になりました。
 稲垣さんには小惑星「Inagaki」をプレゼントした関係で、特に身近に感じていました。それについて「追悼の言葉」ということで、東京朝日新聞の取材がありました。
 ギター音楽の素晴らしさはクラシックにあると思います。現代曲ばかり手がける若手のギタリストの多い中で、稲垣さんは古典からロマン派、そして近代と幅広く演奏する正統派のギタリストで、若くして亡くなられたことは本当に惜しい気がします。
 私が聞いた最後の演奏は、もうかれこれ20年ほど前になるでしょうか。徳山市で聞いたのですが、まだ名器「フレタ」の音が耳の底に残っています。宇宙に旅立った稲垣さん。これからは星の世界から、きっと名演奏を聞かせて下さるでしょう。
 稲垣さんのギターでの師は大阪の近藤敏明さんでした。この人には作曲家の兄さん(恒夫さん)が居て私も何回か会ったことがあります。「ギター芸術」という月刊誌を発行していました。
 1955年ごろだったでしょうか、ロドリーゴの有名な「アランフェスギター協奏曲」がスペインで初演されたとき、その録音テープを持って私を訪ねてきました、なんでもスペイン大使館の好意で特別に早く入手したとかで、スペイン交響楽団をバックに「デ・ラ・マーサ」のギターソロで録音されていました。この曲はその数年後にレコードになって全世界に紹介されたのですから、私たちは曲が生まれてほやほやの時に鑑賞することが出来たわけで、即、高知市公民館での恒例のレコードコンサートで披露されました。第二楽章の「アダージョ」はギターが逆に伴奏となって、オーケストラがソロを演じるあたり意表をついていいですね。曲は名手ナルシソ・イェペスのお手の物でした。


ナルシソ・イエペス氏とともに
初来日の1960年ころ大阪にて