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2013年04月25日

『無人島長平』の墓

 芸西村の天文台からの帰り道、岸本という国道55号線に沿った海岸線を走っているとき、奇妙な銅像と古い苔蒸した墓を発見しました。最近わけ有って建てられたもののようです。銅像のそばの建看板には『無人島長平の像』と書かれて、野村長平のことが説明されています。
 地元の漁師、長平は、今から230年ほどの昔(1785年)、船で嵐にあって、この地から東南東に760km離れた鳥島に漂着し、そこで12年間も窮乏の生活を送りました。そしてついに流木を使って船を組立て、自力で故郷の浜に帰ってきた、という驚くべき人物です。
 いまなら大変な英雄になっていたことでしよう。このことは足摺岬から、同じ鳥島に流されてアメリカに渡った『ジョン・万次郎』より半世紀以上前のことでした。万次郎はその後、アメリカで生活し、アメリカの文化を持ち帰って有名になりましたが、長平はそのような発展はなく、地元の人のみに知られる偉人として、ひっそりと余生を送ったものと思われます。
 長平の銅像の見つめる彼方には、今日も太平洋の限りなく広い青い海原が広がっているのでした。

[無人島長平の像と墓]
無人島長平の像

2013年04月06日

暁の空のパンスターズ彗星

 夕空の時には太陽に近くてろくに観測できませんでした。
 やっと暁の廻って薄明中に捉えました。70cm鏡に映る同彗星です。
 中心核がカッと明るく、2度余りの尾を引いています。4月4日の4時50分頃で、バックは相当に明るい薄明です。光度の目測は難しいですが、写真では4.5等位に見ました。これからまさしく北に登って見やすくなりますが、光度はどんどん落ちていきます。


パンスターズ彗星
C/2011 L4 (PANSTARRS)