国立天文台 アストロ・トピックス (40)
高尾さん、明るい新星らしき天体を発見
福岡県北九州市の高尾明(たかおあきら)さんが8月3.583日(世界時、以下同)、
さそり座に7.4等級の明るい新星らしき天体を発見しました。この発見は九州大
学の山岡均(やまおかひとし)さんを通じて国際天文学連合に報告されました。
高尾は焦点距離120ミリメートルにCCDを使い発見しました。新天体の位置は
以下の通りです。
赤経: 17時29分18秒
赤緯:-31度46.0分 (2000.0年分点) [精度0.1分角程度]
この天体は、チリのラス・カンパナス天文台に置かれた自動全天サーベイ
ASAS-3でも、発見の前日の2.071日にV=9.9等級(可視領域を中心として観測され
る明るさ)でとらえられています。このことから、天体が増光中で、もしかした
ら肉眼等級まで明るくなるかもしれないと期待されます。
この位置周辺には、目立った赤外線源もX線源もなく、新星の可能性が高いも
のと思われます。位置の精度がまだ荒いため、爆発前の星は確定していません
が、16等級よりも暗いことは確実でしょう。今後の分光観測や光度測定、精密
な位置測定が待たれます。
高尾明さんは、昨年、今年と新星を発見されている天体捜索者です。
参照:IAUC 8380 (Aug. 5 2004).
VSOLJ ニュース (128) 2004年 8月 5日.
2004年 8月 5日 国立天文台・広報普及室
[2004年8月5日 22時53分50秒]