記事タイトル:NGC 205に新星か 

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お名前: 佐藤 裕久   
国立天文台・天文ニュース (587)

                  板垣さん、新星と思われる天体を発見

 山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんがM110に新星と思われる天
体を発見しました。

 アンドロメダ座の大銀河・M31のお伴の銀河のM110(NGC 205)に新星らしき天
体が出現しているのを、山形市の板垣公一さんが10月5.56日(世界時)に撮影し
た画像から発見しました。八ヶ岳南麓天文台の串田嘉男(くしだよしお)さんに
よって確認がなされました。
 この発見は洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合
に「M110の新星らしき天体の発見」として報告されました。

 串田さんによる新星の位置は

  赤経   0h 40m 15.26s
  赤緯 +41゜44' 19.8"  (2000.0)

で、M110の中心から西に77秒、北に193秒になります。

 板垣さんは彗星や超新星をいくつも発見しているベテランの天体捜索家で、
昨年は2つの超新星を相次いで発見しています(天文ニュース(441)、(500))。

参照  IAUC 7984(Oct. 5, 2002).
      VSOLJニュース(097) 2002年10月6日.

        2002年10月7日                           国立天文台・広報普及室

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訂正:天文ニュース(586):2002年の「しし座流星群」
    発行日:2001年10月3日=>2002年10月3日
   天文ニュース(582):長谷田さん、いて座に肉眼等級の新星を発見
       IAUC 7975の発行日:Sep.19,2002=>Sep.21,2002
   お詫びして訂正いたします。
   ご指摘をいただきました皆様、有難うございました。
[2002年10月7日 20時41分47秒]

お名前: 佐藤 裕久   
VSOLJ ニュース (097)

     山形の板垣さん、M110に新星と思われる天体を発見

                                         著者  :山岡均(九大理)
                                         連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

 銀河系外の新天体としては超新星が有名ですが、私たちの近くにある銀河で
は、超新星よりは数等級暗いけれども爆発天体である新星現象が捉えられるこ
とがあります。アンドロメダ大銀河M31の新星は、このところ毎年数例発見さ
れていますが、そのお伴の銀河であるM110(NGC 205)に新星らしき天体が出現
しているのを、山形県の天文愛好家、板垣公一さんが10月5.56日(世界時、以
下同)前後に撮影した画像から発見されました。日本人が銀河系外の新星を発
見したのは、筆者の知る限り初めてのことです。板垣さんは以前から彗星や超
新星をいくつも発見されているベテランの天体捜索家です。

 発見時、新星は1時間のうちに16.4等から16.1等へと急速に明るくなってい
くところが捉えられています。天体の存在は、山梨県の串田麗樹さんによって
5.764日に確認されましたが、その時には天体は15.8等とさらに明るくなって
いました。串田さんが3.65日に撮影した画像では19等より明るい天体はなく、
この天体は増光が始まって間もないものと思われます。確認画像から串田嘉男
さんが測定した新天体の位置は、
  赤経   0時40分15.26秒
  赤緯 +41度44分19.8秒 (2000年分点)
で、M110銀河の中心から西に77秒角、北に193秒角ほどにあたります。ご存知
のように、アンドロメダ大銀河M31には、M32とM110という2つの明るいお伴の
銀河がありますが、M110はM31の北西側で、南にあるM32よりもややM31から離
れた位置にある楕円銀河です。 

 これらの銀河に出現する新星は、極大等級が15〜20等程度になりますので、
今回の天体が実際に新星ですと、最も明るい部類に入ります。新星は明るいも
のほど増減光が速いという傾向にあり、この天体で見られた急速増光は、明る
い新星の特徴に合致します。とすると、この天体が私たちの目を楽しませてく
れるのは短い期間になる公算が強いでしょう。今後のスペクトル観測による天
体の性質の解明や、明るさの変化のようすの追跡が待たれます。

参考文献:IAUC 7984 (2002 Oct. 5)

    2002年10月 6日
[2002年10月6日 23時9分26秒]

お名前: 佐藤 裕久   
板垣公一氏(山形市鉄砲町)は、10月 5.56日UT、0.60-m f/6.0反射+CCDの画像から
NGC 205(M110)に新星らしきものを発見した。
1時間のうちに16.4等から16.1等と明るくなった。
位置は、R.A. = 0h40m15s.8, Decl. = +41o44'20"(equinox 2000.0)
NGC 205の中心からP.A. 330°、3'35"のところにある。 

(IAUC 7984)
[2002年10月6日 21時52分59秒]

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