やっちゃんさま、
「かに星雲の観測」といっても、夜空のコンディション、経験、どのような手段でどこまで
詳しく観測したいかによっておすすめする機材も変わってきます。また、観測場所、年齢
(お子さんなら大きい望遠鏡を遠くに運ぶのは難しいでしょう) にもよります。もちろん
予算にもよります。
ここでは、普通のコンディションの土地の夜空で、大人のまだ「かに星雲」を見たことが
ない人が、できるだけ安価に、とにかく眼視(つまり望遠鏡をのぞいて)で かに星雲の形が
見えればよい、ということでお答えします。 これが、的外れでしたら、再度お尋ねください。
かに星雲は、超新星の残骸ですが、視直径が5’と星雲にしては小さいので、ある程度、
倍率の上げられる天体望遠鏡がよいでしょう。また、明るさもそんなに明るくないので、
あまりに小さい望遠鏡では見つけるのに苦労するかもしれません。
そういうわけで、屈折式なら口径8〜10cm、反射式なら口径10〜20cmの
ものをお勧めします。倍率は、30〜100倍くらいがよいでしょう。普通に天体望遠鏡を
買えば、この程度の倍率になる接眼レンズがついているはずです。
さて、屈折式、反射式のどちらがよいか、ということですが、これは好みや予算にもより
ますが、かに星雲を見るだけならどちらでもいいです。反射式にも ニュートン式とかシュ
ミット・カセグレン式とかありますが、これもどちらでもいいです。でも、惑星も観測
したいとか彗星を見たいとか、写真を撮りたいとか、ほかの用途がありますと、どれが
適しているかが変わってきます。また、8cm屈折とか15cm以上の反射になりますと
架台のしっかりした赤道議が必要となりますので、持ち運びはけっこう重いですし、保管の
場所もとります。
最後にお値段ですが、これは市場調査をしていないので私にはよくわかりません。
赤道儀つきとして、8cm屈折式、12cmニュートン式で4〜8万円程度、
20cm反射ニュートン式で10万〜15万円、20cm反射シュミットカセグレン式で
20万〜30万円程度でしょうか。これよりはるかに安い物は粗悪品の可能性があります
ので注意が必要です。月刊の天文雑誌の広告などを見てください。
[2004年3月16日 19時50分14秒]