VSOLJ ニュース (114)
いて座に本年2個目の新星が出現
著者 :加藤太一(京大理)
連絡先:tkato@kusastro.kyoto-u.ac.jp
いて座に本年2個目の新星が発見されました。正式名称はまだ確定していません
が、近々命名されるものと思われます。IAUC 8204 によれば、発見はオーストラリア
の N. J. Brown によるもので、9月17.52日(UT) に写真等級9.2等で検出されて
います。18.43日には Brown により眼視的にも確認され、8.8等と報告されています。
J. D. West による天体の精測位置は
18h 10m 10s.42
-27o 45' 35".2
(J2000.0)
と報告されています。スペクトルによる確認もすでになされており、Fe II 型
の新星と報告されています。
この位置は VSOLJ ニュース (103) で紹介された ASAS-3 自動望遠鏡も撮像して
おり、16.07日 に 10.7等の増光中の姿が捉えられています。この画像はこれまで
公開されている中で最も早期にこの天体の増光を捉えたもので、将来の新星発見
の早期通報が期待されます。
この天体の出現は 9月19日のうちに William Liller を通じて連絡がありまし
たが、位置が記されていなかったために同日夕方の日本の観測には間に合わせる
ことができませんでした。VSNETでは以下のページに星図やIAUC公開前のVSNETでの
情報交換を公開しています。観測にご利用ください。
9月20日現在、眼視等級9.1等程度で報告されています。
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Novae/nsgr03-2.html
2003年 9月20日
[2003年9月20日 11時40分57秒]