記事タイトル:山梨県の串田麗樹さん、NGC 5468に超新星2002crを発見最新の情報は「更新」や「再読み込み」ボタンを押してリロードしてご覧ください。 |
国立天文台・天文ニュース (547) 串田麗樹さん、超新星を発見 山梨県、八ケ岳南麓天文台の串田麗樹(くしだれいき)さんは、5月2日(日本時)、 「おとめ座」の東部にある銀河NGC5468に、16.5等の超新星を発見しました。こ れは口径40センチのシュミット・カセグレン望遠鏡とCCDによる発見です。 この発見は洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合 へ報告されました。 この超新星の位置は、 赤経 14時06分37.59秒 赤緯 -05度26分21.9 秒 (2000.0) で、銀河中心から東に40秒、北に50秒の位置にあります。 この超新星は、串田麗樹さんが発見した9個目のもので、1999年12月のSN 1999 gi 以来のことになります。 ホイップル天文台(アメリカ)の1.5メートル望遠鏡での観測によると、これ から明るさの極大を迎えると予想されます。 参照 IAUC 7890(May 2,2002). IAUC 7891(May 6,2002). VSOLJ ニュース (089). 2002年5月7日 国立天文台・広報普及室[2002年5月7日 20時14分48秒]
SOLJ ニュース (089) 山梨県の串田麗樹さん、NGC 5468に超新星2002crを発見 著者 :山岡 均(九大理) 連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp 2002年に入ってから4か月が経ち、1年の1/3が過ぎましたが、この間には日 本人による彗星・新星・超新星の発見がたいへん多数相次ぎました。それに引 き続くかのように、5月に入ってすぐ、山梨県の串田麗樹さんが新超新星を発 見されました。串田さんは、暗いIa型超新星としてたいへん注目された超新星 1991bgを発見されて以来、超新星を10個以上発見(独立発見を含む)してこられ たベテラン超新星ハンターです。 IAUC 7890によれば、超新星2002crと命名されたこの天体は、5月1.701日(世 界時、以下同様)に撮影されたフィルターなしCCD画像で16.5等の明るさで発見 され、翌夜の2.467日に16.2等で確認されています。超新星の位置は赤経14時 06分37.59秒、赤緯-05度26分21.9秒(2000年分点)、母銀河であるNGC 5468の中 心から東に40秒角、北に50秒角ほどの位置にあたります。NGC 5468は、おとめ 座の東部にある、正面を向いた渦巻銀河で、超新星は北東側の淡い腕の先端近 くにあります。銀河中心の真北や真東には、銀河円盤部に重なって前景の星が ありますので、超新星の同定には注意が必要です。 この銀河には、1999年にも超新星が出現しました。この超新星1999cpは、極 大が14等ほどにも達したIa型のものでした。今回の超新星2002crも、Ia型であ れば同程度の明るさにまで達すると期待されます。今後の明るさの変化や分光 観測によるタイプ決定がたいへん望まれます。 Reference: IAUC 7890 (2002 May 2) 2002年 5月 3日[2002年5月3日 19時7分51秒]