国立天文台・天文ニュース (573)
鈴木さんが発見した新彗星が明るい
栃木県宇都宮市の鈴木雅之(すずきまさゆき)さんがSOHO衛星のSWAN観測機
の画像から発見した新彗星(COMET 2002 O6; 天文ニュース 572)ですが、まだ正
式な名称は公表されていません。
国際天文学連合回報(International Astronomical Union Circulars; IAUC)
7948 によると、この彗星の暫定的な放物線軌道要素と位置の予報が発表されて
います。
近日点通過 = 2002年9月9.418日(TT)
近日点距離 = 0.49467 天文単位(AU)
近日点引数 = 78.703 度
昇交点黄経 = 330.959 度 (2000.0年分点)
軌道傾斜角 = 58.666 度
月 日 赤経 (200.0) 赤緯 予報等級
8 8 5 27.61 + 8 34.5 6.6
9 5 45.52 +12 42.1 6.5
10 6 04.12 +16 45.1 6.4
11 6 23.19 +20 36.4 6.3
12 6 42.48 +24 10.2 6.3
13 7 01.74 +27 22.0 6.3
14 7 20.69 +30 09.6 6.3
16 7 56.71 +34 32.0 6.8
18 8 29.11 +37 28.1 6.9
20 8 57.24 +39 16.9 6.9
22 9 21.10 +40 16.5 7.0
24 9 41.09 +40 41.2 7.0
現在はオリオン座の左肩の付近にいて、今後はふたご座を通りやまねこ座へ
抜けるようで、日の出前の東の空低くに見られます。
参照 IAUC 7948 (Aug.3,2002).
MPEC 2002-P10 (Aug.3,2002).
池谷・張彗星が周期彗星に
2月に発見された池谷・張彗星(天文ニュース 572)がその後の観測から周期彗
星として登録されました。小惑星電子回報(Minor Planet Electronic Circulars;
MPEC) 2002-O18 に掲載され、公式に 「153P/Ikeya-Zhang」 となりました。
番号登録された彗星の中ではもっとも周期の長い彗星(約371年)で、200年以上
の周期を持つ唯一の彗星です。
参照 M.P.E.C. 2002-O18 (2002 July 19).
2002年8月8日 国立天文台・広報普及室
[2002年8月8日 3時45分56秒]