記事タイトル:金星の太陽面通過中、国際宇宙ステーションも通過 

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お名前: 佐藤 裕久   
         国立天文台 アストロ・トピックス (19)

       金星の太陽面通過中、国際宇宙ステーションも通過

 いよいよ金星が太陽を横切る太陽面(日面)通過(経過)現象が6月8日に迫って
きましたが、一部の地域では、金星に加えて、国際宇宙ステーションも太陽の
表面を横切っていくのが見えると予想されています。

 国際掩蔽観測者協会(IOTA)のダナム(David Dunham)によると、世界各地で国
際宇宙ステーションが太陽面を通過して見られる地域がありますが、日本では
二度そのチャンスがあるとのことです。最初のチャンスは、16時18分過ぎで、
北海道の留萌から旭川の南を通って音別に抜ける地域となります。二度目のチャ
ンスは17時53分過ぎで、今度は鳥取県米子の東から兵庫県姫路と加古川、大阪
府泉佐野から三重県熊野に抜ける地域となります。
 ただし、国際宇宙ステーションは地球に近いため、これらの地域でも中心線
から数キロメートルも離れると、太陽からはずれてしまい、通過が見られなく
なります。また、二回目の方は日没が近く、太陽の高度が低くなって条件はよ
くありません。さらに国際宇宙ステーションの見かけの動きはきわめて速いた
め、太陽面を通過するのに要する時間はせいぜい1秒から2秒程度です。事前の
予報を入手し、その場所で注意深く観察しないと見られる確率は低いでしょう。

 国際宇宙ステーションは、しばしば惑星面を通過する現象なども予報がされ
ていて、実際にそれを写真やビデオに撮影した人もいるようです。今回は歴史
的な現象である金星の影と共に、国際宇宙ステーションの影が太陽面を通過す
る様子を撮影できるかもしれません。金星の太陽面通過現象が日本で見られる
のは、1874年(明治7年)以来、実に130年ぶりですが、さすがに当時は人工衛星
も飛んでいませんから、このようなダブル通過は想像だにしなかったでしょう。

 なお、8日は全国的に天候が悪いという予報が出ていますので、インターネッ
トで眺めるのが最善かも知れません。各地の中継サイトの情報は国立天文台の
ホームページからも辿れますので、ご利用ください。

参照:金星の太陽面通過中の国際宇宙ステーションの情報
     http://eclipse.astronomie.info/transit/venus/isstransit/ (英語)

   国立天文台 金星の太陽面通過の情報
     http://www.nao.ac.jp/pio/v20040608/

     
[2004年6月8日 6時39分59秒]

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