VSOLJ ニュース (126)
串田麗樹さんが明るい超新星2004bvを発見
著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp
山梨県の串田麗樹さんは、超新星1991bgを皮切りに、これまで多数の超新星
を発見されてきたヴェテラン超新星ハンターです。彼女は、5月24.70日(世界
時、以下同様)に撮影した画像から、15.6等の新たな超新星を発見、超新星
2004bvと命名を受けました。
新天体の座標は、
赤経 20時25分06.34秒
赤緯 -24度48分53.7秒 (2000年分点)
で、やぎ座の棒渦巻銀河NGC 6907の中心核から西に4秒、北に21秒ほどの位置
にあります。東側の腕に重なるように伴銀河NGC 6908があって、相互作用をし
ているものと考えられます。
この銀河には、超新星1984Vも出現しており、15等で観測されています。銀
河の後退速度から推定すると、母銀河内で星間吸収を受けなければ、典型的な
Ia型超新星の極大予想光度は14.9等ほどになります。串田さんの発見の翌
25.77日には、この超新星は15.3等と明るくなっていました。今後の光度変化
と分光タイプ分類が楽しみです。
参考文献:IAUC 8344 (2004 May 25)
2004年 5月27日
[2004年5月27日 5時36分56秒]