記事タイトル:9月9日、火星が月と大接近 

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お名前: 佐藤 裕久   
国立天文台・天文ニュース (672)

            9月9日、火星が月と大接近

 大接近を過ぎたばかりの火星は、大接近のときとさほど変らない明るさで、
午後7時過ぎには東の空で赤く輝いています。
 これからは、だんだん昇ってくる時刻がはやくなりますので、8月末の大接近
の時よりも見やすくなります。

 9月9日に、火星と月が「大接近」します。火星の見た目の大きさは視直径24.3
秒角、明るさはマイナス2.7等級。月は月齢13で、満月の2日前です。
 東京の場合、午後7時には、東の空に昇っている月のすぐ左下に火星が寄り添
うように輝いています。この時、月の縁(へり)と火星の間隔は約30分角、つま
り月の見かけの直径とほぼ同じです。その後、時間が進むと火星と月はさらに
接近し、午後8時40分頃には、6分角まで近づきます。これは、月の見かけの直
径の約5分の1、火星の見かけの大きさの約15倍しか離れていないということで
す。

 このようすは肉眼で楽しめます。双眼鏡や、小口径の望遠鏡があればさらに
楽しめる光景でしょう。火星と月が同じ視野に入るような倍率で見ていると、
模様のわかる火星が、クレータのある巨大な月の南側をかすめて移動して行く
様子が見られるでしょう。

 この「大接近」は北に行くほど間隔が狭くなります。例えば、札幌では午後
8時54分頃に約3.5分角まで近づきます。逆に南へ行くと間は開いてしまいます。
 さらに北、シベリア地方まで行くと、月齢13の月が視直径24秒角の火星を隠
す現象(火星食)になります。日本では残念ながら火星食の起きる帯域からわず
かに外れています。

 11日は中秋の名月。すこし早い「火星付お月見」はいかがでしょうか。

参照:天文雑誌各誌.

        2003年9月4日                        国立天文台・広報普及室
[2003年9月5日 23時36分31秒]

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