斉藤様、
こんにちは。はじめまして。私は、上原と申す者で、時々彗星の眼視観測をこちらに
投稿させていただいているのです。
私もご指摘の点に最近気づいて、気になっていたのですが、よくわかりませんでした。
それで、私はこの方面、とくに彗星天文学界の動向に詳しい者ではありませんが、
インターネットで調べてみました。
とりあえずわかったことだけ書きますが、さらに具体的な事情は他の詳しい方からの
情報を待ちたいと存じます。
以下のサイトに一応の規則と説明があります。
http://cfa-www.harvard.edu/iau/cometnameg.html
ここの序文と5.5節の内容の拙訳は以下の通りです。
−−−−−−−−−−−−−−
国際天文連合第3部会の小天体命名委員会により、2003年3月に、次のような彗星の
命名についてのガイドラインが採用された。
5.5 また、すでに述べられた単純性の利点から、彗星の名前は、20世紀のほとんどの
期間に行われたように、(複数の彗星が同じ発見者の名前を持っているときに)名前の
後に数字を付けることによって変えられることは今後ない。それは、ものごとを複雑に
するだけだからである。過去において、おきまり式に付けられていた短周期彗星の番号
を維持することは、公式的に必要でない。それは、しっかりとした指定方法がその必要性
をなくしており、歴史的事実が、数字を使うといういかなる論法も偽りであることを示し
ているからである(違った数字が別々の場所で使われたし、近年においてさえも使用
されている数字に欠番がある)
−−−−−−−−−−− 以上 引用
もともとは、マースデン氏やグリーン氏が20世紀末からこのポリシーを提案しており、
2001-2002年にICQや彗星軌道カタログで数字が取り除かれたのを、上記委員会が
2003年に正式に決定したもののようです。(私は、毎号のICQや彗星カタログを
持っていませんので、この辺の歴史的順序が、正しいかどうか確認できません。)
新しい方式が1994年だったかに採用されたときに、すでに新彗星については、番号付け
は廃止されたし、それ以前にもこの番号はそれほど厳密に付けられていたわけでもない
(たとえば、短周期彗星でないサングレージング彗星SMMにも番号がついていた)ので、
これは当初からもくろまれていた予定の変更だったように推測されます。でも、
2000-2003年に、どういう具体的経緯があって現実のような動きになったのかは、私には
わかりません。より詳しい事情をご存じの方は、お教えいただきますとありがたいです。
ウィキペディアを拝見しました。短い文章ですが、先生方のご功績やご苦労がよく
理解できるように存じます。
[2005年3月13日 8時48分39秒]