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芸西天文台通信<2011年8月19日号>


帰ってきたクロムメリン彗星

 周期28年で度々回帰する27P/Crommelinは今から遠く1928年に山崎正光によって発見されました。大英天文協会のクロムメリン博士は、この彗星が昔、何回か出現したことのある周期彗星であることを調査し、その後は「クロムメリン彗星」と呼ばれるようになりました。そして28年後の1956年10月の回帰は高知市で関が日本初の再発見に成功しました。大英天文協会の発表した位置予報から、北に10度も外れていました。その更に28年後の1984年には「芸西天文学習館」が完成しており、60cm鏡による写真観測が行われました。
 そして今回の2011年5月13日の早暁、芸西ではこの彗星の最も早い観測に成功しました。3回の回帰に渉って関係してきた懐かしい彗星でもあります。今回の回帰は常に太陽に近い薄明の中で、観測は困難となっています。
 写真はNikon D700で撮影されたもので、2枚のフレームから下元繁男氏が画像処理し、美しい写真となりました。
  
[27P/クロムメリン彗星の写真]


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