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芸西天文台通信<2010年10月6日号>


103P/Hartleyの写真, 帰ってくるクロムメリン彗星

0103P          2010 10 05.63021 01 37 06.90 +56 42 28.2          11.2 N      372
0103P          2010 10 05.63368 01 37 09.60 +56 42 31.2          11.2 N      372
 上は70cm鏡による位置観測です。Fが7と暗いので、核光度で表示してあります。
 このような、非常に拡散した彗星は空が暗く、しかも明るい光学系で観測すると意外と明るい結果が出るものです。下は同じ頃の眼視観測です。
2010UT      m1   dia.   DC    Trans    Srring      Inst.      Obs.
Oct.5.65   7.1   10′    6     4/5       4/5      7x50 B     T.Seki

[103P/Hartleyの画像]

 夜明け前の1時間になって15cm25xの双眼鏡で東天を捜索しました。54年昔の今朝クロムメリン彗星を独立発見しました。15cmF6.3の反射鏡でした。しし座の大鎌の中で10等級、5分角のコマでした。山崎氏の発見から28年後の同じ10月でした。
 そして49年前の10月11日にはしし座のβ星の近くに"Seki" 1961 T1を発見したのでした。9cmの苗村レンズです。
 1940年の10月1日頃には「岡林・本田彗星」が、これもしし座の大鎌の中に発見されました。岡林さんは75mmの屈折による発見です。
 しし座の中を一心に見ました。望遠鏡にはナビゲーターを付けていましたので、天体の位置は概略で判明します。精度は1度以内に追い込めば、あとはスケッチに頼れます。時間が少ないときは9cmの屈折を使います。視野は3.5度、実に明快で能率的です。
 なお28年周期のクロムメリン彗星は、刻々近づいており2011年の8月3日頃に近日点に帰ってきます。

Copyright (C) 2010 Tsutomu Seki.