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芸西天文台通信<2009年5月19日号>


C/2006 W3 (Christensen)

 C/2006 W3 (Christensen)の観測です。目下明け方の東北天に低く見えています。7月上旬の近日点の通過を目指して明るくなってきました。小さな望遠鏡で見える9等内外の明るさですが、コマは小さく尾もありません。平凡な小彗星と見て良いでしょう。
 下はほとんどが核の光度ですが、全光度はこれより1.5〜2等明るいでしょう。
 本来は今頃眼視のコメットハンターが捉えて”発見”の凱歌を挙げるところですが、何年も前にプロの捜索者によってすでに発見されています。こう考えると、アマの世界は、確かに狭くなりましたが、しかし熱心に捜索を続けるならば、発見のチャンスはまだ大いにあると思います。プロと違って眼視によるアマの捜索者は一生に1つでも良い、2つでも良い、自分の名がつく天体を発見したい、と思っている人が大半なはずですから。
 新発見の困難なことは、何も今に始まった事ではなく、18〜19世紀のコメットハンターがひしめいていた時代の方が、もっと恐ろしかったように思います。
 20世紀に入ってからも、スロバキアのスカルナテ・プレソ天文台の活躍は特筆すべきで、丁度私の駆け出した時代でした。彼らの活躍を制して発見することの如何に困難だったかを知る人は、本田さんと私くらいのものでしたでしょうか?そう、彼らはれっきとしたプロでありながら、小さなコメットシーカーで探し続けたのです。ベクヴァル博士(台長)、クレサク博士、ムルコス氏、パジュサコヴァ女史、ボサロバ女史、、、等々活躍しました。1947年から1959年までの12年間、この天文台で発見した新彗星の数は20個位でしょうか。
 嗚呼、欧州も北、タトラ山中の激寒の地に打ち立てた偉大な金字塔です。
(関)
    CK06W030   2009 04 02.79497 22 46 26.28 +33 57 08.4          10.5 T      372
    CK06W030   2009 04 06.82465 22 47 49.95 +33 57 37.6          11.8 N      372
    CK06W030   2009 04 10.78316 22 49 02.78 +33 59 28.9          11.6 N      372
    CK06W030   2009 04 12.78090 22 49 35.73 +34 00 55.0          12.0 N      372
    CK06W030   2009 04 14.78715 22 50 06.11 +34 02 39.8          11.9 N      372
    CK06W030   2009 04 18.75451 22 50 57.63 +34 06 58.8          11.2 N      372
    CK06W030   2009 04 23.81146 22 51 45.58 +34 14 01.4          11.3 N      372
    CK06W030   2009 04 25.75868 22 51 58.25 +34 17 07.3          12.0 N      372
    CK06W030   2009 04 26.75799 22 52 03.43 +34 18 47.6          12.2 N      372
    CK06W030   2009 05 19.68194 22 49 06.67 +35 04 59.8          11.1 N      372
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