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芸西天文台通信<2009年2月21日号>


29P/Schwassmann-Wachmann 1, 33P/Daniel, C/2007 N3 (Lulin)

 C/2007 N3 (Lulin)は2月20日には、確かに18日に比べて0.2等くらい明るくなって、肉眼で見やすくなったように感じました。しかし15cm28xで覗いた限りでは2月18日(UT)より、気のせいかすこし小さくみえました。眼視では4.8等に見ました。

 光度の変化することで知られている二つの周期彗星の観測です。
0029P          2009 01 17.72604 08 00 47.92 +23 32 52.2          14.8 T      372
0029P          2009 01 25.65694 07 56 41.08 +23 38 00.0          15.0 T      372
0029P          2009 01 28.74375 07 55 06.99 +23 39 36.9          15.3 T      372
0029P          2009 02 12.48056 07 48 17.63 +23 43 51.6          12.9 T      372
0029P          2009 02 17.46111 07 46 20.40 +23 43 53.8          13.5 T      372
0029P          2009 02 18.57684 07 45 55.86 +23 43 48.6          13.7 T      372

0033P          2009 02 20.56563 11 30 28.85 +40 50 39.0          14.5 T      372
0033P          2009 02 20.59201 11 30 27.37 +40 50 47.9          14.4 T      372
 東天に明るいルーリン彗星のその後の観測です。
    CK07N030   2009 02 20.61580 12 23 57.93 -02 13 40.8            6.0 T     372
    CK07N030   2009 02 20.66458 12 23 07.39 -02 08 27.9                      372
    CK07N030   2009 02 20.72938 12 22 00.00 -02 01 32.2            6.0 T     372
 29Pのシュワスマン・ワハマン彗星は、最近やや明るい気味に細かい変化を見せています。淡いコマの中に、鋭い核が見えたり見えなかったりです。
 33Pのダニエル彗星は「ダニエル・清水彗星」の連想を誘います。即ち1937年1月、それまで行方不明中だった、同彗星の摂動を計算した、広瀬秀雄氏(当時東京天文台)は、その結果としての捜索予報を静岡県島田市の清水真一氏に送り、捜索を依頼したのです。清水氏は日本における天体写真の草分け的な存在で、予報によって発見したのは、なんと口径が8cmの人像玉だったそうです。
 この時代は天文台といえども、天体写真を撮る人が少なかったと見えます。当時天文界に名を轟かせた広瀬-清水の名コンビは、それから40年近く経って、愛知県での彗星会議で再会することになるのです。彗星発見に使用された10cmの赤道儀は、静岡市の図書館に寄贈され、その後の静岡市での彗星会議で公開されました。
  40年ぶりの再会....。
 昔はなんとなく夢がありましたね。 (関)
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