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芸西天文台通信<2006年7月16日号>


117年ぶりに回帰したバーナード2彗星の写真、99P/Kowal, C/2004 B1 (LINEAR) の観測データ

 芸西は7月13日から梅雨明けを思わす暑い晴天が続いています。実質的には今年の梅雨は平年より早く明けたものと思います。毎日かんかん照りでドームの中は35℃にもなります。やはり観測は強靭な体力が必要ですね。

 さてバーナード2彗星ですが、7月15日に20cmの屈折で眼視的に観測しました。22時の観測で全光度は12.5等、コマ2.5分角で中心集光のない拡散状です。1889年にバーナードも恐らくこのような淡い光芒を見たことでしょう。しかし117年の歳月を経て今、頭上に大バーナードの星が輝いている!偉大なる観測の神様として、尊敬し敬愛してきた私には、バーナード博士の魂の輝きに見えてとても嬉しく、そして興奮しました。
 バーナード博士に会った日本の天文学者には山本一清氏と山崎正光氏がおられます。山崎氏は彗星の捜索法を習ったそうですが、バーナードの臨終の席にあの有名なバンビースブルグ氏と山本一清氏がいました。バーナード氏は最後に「ああ、もう一度星空を見たい」と言って息を引き取ったといいます。この偉大なる天文家の星(魂)が、いま夏空に輝いているのです。

 120年振りのこの星を是非観測しようではありませんか。7月下旬にはもう1等級明るくなるでしょう。
0099P          2006 04 21.51042 11 06 47.45 +08 55 26.2          18.3 T      372
0099P          2006 04 21.52951 11 06 47.24 +08 55 26.4                      372
0177P          2006 07 14.52361 17 10 48.54 +01 37 32.0          15.3 T      372
0177P          2006 07 14.52951 17 10 48.06 +01 38 06.9                      372
0177P          2006 07 15.53472 17 09 27.47 +03 17 58.8                      372
0177P          2006 07 15.53993 17 09 27.10 +03 18 28.5                      372
0177P          2006 07 15.54444 17 09 26.67 +03 18 55.7                      372
0177P          2006 07 15.55035 17 09 26.09 +03 19 30.5          14.6 T      372
    CK04B010   2006 07 03.59375 16 06 06.92 +31 38 18.1          15.2 T      372
    CK04B010   2006 07 15.52118 15 43 23.83 +31 25 28.8          15.2 T      372



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2006年7月14日 21時31分から6分間露出
60cm反射 Acros 100フィルム

Copyright (C) 2006 Tsutomu Seki.