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芸西天文台通信<2003年10月20日号>


● C/2002 T7(NEAT)
 良く晴れました。夜半には例によって対日照が見えていました。半月が出ても北の空は実に暗く、予定された多くの観測をこなしました。
 来春明るくなる予定の C/2002 T7(NEAT) が少し膨らんで銀河のように見えています。まもなく11等星になり肉眼的となるでしょう。

● 157P/Tritton
 それと重大なことは先に再発見された 157P/Tritton ( = P/2003 T1) 彗星がついに分裂崩壊を始めたようです。芸西での10月20日、朝3時の写真観測では、すでに明瞭な中心核はなく、かすかに彗星の残骸のようなものが煙のごとく細長く伸びて軌道上に漂っているだけです。月明下の短い露出ですが、3時から3時30分にかけていっそう消えてゆくように伺えました。月光の去る2〜3日後はどんな姿でしょうか?もう見えないのか!1978年以来25年間も宇宙をさ迷った末に。芸西では過去の回帰に何回か捜索しています。今回は特別に増光して消えてゆくのかもしれませんね。
 過去、タトル・ジャコビニ・クレサク彗星が、爆発し消えたと思われていたのが、次の回帰に『どっこい、生きていた。芸西での再発見』 ということがありました。


C/2002 T7(NEAT)
2003年10月20日 2時から5分間露出
芸西天文台 60cm F3.5 反射望遠鏡
プレスト400フィルム

北に少し膨らんで尾が出始めている





Copyright (C) 2003 Tsutomu Seki. (関勉)