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芸西天文台通信<2003年6月13日号>


● 羽根田・カムポス彗星やーい
 暗室の中の古いフィルムを調べていたら、1984年12月に羽根田・カムポス彗星を狙って 撮った2枚のフィルムが出てきました。 1枚はコダックの天文用103aEガラス乾板で、もう1枚は片方にパーフォレーションのある 6×7の不思議なフィルムで、どうやらその頃出始めのコダックの2415のフィルムらしく、解像力は103aを上回っています。 D/1978 R1(Haneda-Campos)は1978年に羽根田氏が私と同じ88mmF7の屈折式コメットシーカーで 見つけたもので、OAA彗星課発行の「彗星年表2003」によれば2004年1月に回帰し、今年の年末頃には14等級にまで上昇するはずです。しかし・・・。初発見の1978年以来1回も姿を 見せていないのです。2枚のフィルムは初回帰の1984年これを捜索して60cmで写したもので、 ΔT±2°をカバーしています。果たして20年振りに発見されるのか?今の精密なGSCの星図に頼って調査してみましょう。「関さんぜひ再発見して下さい」と言った当時の羽根田翁の言葉が今も耳の底に残っています。 永いこと私の彗星に憧れ、私と全く同じコメットシーカーまで作ってがんばった羽根田利夫さんのホウキ星は、いまいずこを彷徨っているのでしょうか。約10年前に亡くなられた羽根田さんは、 きっと自分のホウキ星を求めて天界を歩いているにちがいありません。






Copyright (C) 2003 Tsutomu Seki. (関勉)