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芸西天文台通信<2002年10月28日号>


● 72P/Denning-Fujikawaについて
 1978年を最後に観測されていない、デニング・藤川彗星
(72P/Denning-Fujikawa)について調べていたら、佐藤裕久さんからO-C(観測値と計算置の差)が送られてきました。なんと芸西の精度の悪い観測が全体の40%を占めている!1978年の全観測は僅かに25個。当時は彗星の観測者が少なく、この様な時代がつい10年ほど昔まで続いたような気がします。なぜ観測が悪かったのか?1978年の10月、藤川氏が16cm反射で発見した直後私も12cm双眼で見ました。全光度10.5等ほどの拡散状でまるで霧のかたまりの如くボーッとかすんでいました。ちょうどC/2002 O4(Hoenig)の消滅(?)前のような広く拡散したイメージで、40cm反射鏡では中心がどこか明確ではありませんでした。これは消滅する最後の姿だったのか?
 ハレーのやってきた1986年には相当良い条件で60cm反射鏡で探しましたがついに見つかりませんでした。あの頃の感材はフジのFLO-U(ガラス)、同じくコダックの103aE、それにフジのXレイフィルムを多く使いましたが、残念それらのプレートは残っていません。

 現在、1969年の観測を最後に見つかっていない18D/Perrine-Mrkosを捜索しています。村岡健治氏の予報に従って±30日以内を約50枚写しました。もし再発見されたとき古いフィルムから探し出せるかも知れません。11月から21cmでの撮影と並行に眼視でも探ってみます。もしかすると写真には写りにくい広がったイメージで運行しているかもしれないからです。






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