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芸西天文台通信<2000年8月3日号>


● C/1999 S4(LINEAR) リニア彗星の消滅?
 8月3日は台風が北へ抜け、太平洋高気圧が張り出して夜が更けるに従って秋を思わすような快晴となりました。夕刻天文台へたどり着くと雲が出てしかもリニア彗星が三日月の近くにあります。半ば諦めながら覗くと「ナイ!」。予報の位置にはもはやあの崩壊した彗星の姿はありません。しかし微光星の影に幽かなイメージがちらつく様です。様々な悪条件を考慮して m1 = 10.5 と判定しました。
 8月1日よりははるかに淡く小さくコマの付近が全体(尾も含めて)の輝度の僅かに1.5倍。もう数日の命でしょう。遠くオルトの雲の世界からやって来たホウキ星は太陽のそばで消えた?!
 ε16cmによるカラーに写っていたら後日特報します。

[消滅寸前のリニア彗星の写真] [説明図]
C/1999 S4(LINEAR)
2000年8月3日 21時51分 2分露出
フィルム:TM400、D-19現像(ハイコントラスト現像液)
芸西天文台 60cm反射鏡
(コンピュータによる画像処理を行っています)




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