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芸西天文台通信<2000年5月30日号>


● C/1999 S4(LINEAR)
 リニア彗星はぐんと明るさを増したようです。5月30日の午前3時30分、20cm 40×で覗くと11.3等でした。60cmで6分間露出しましたが早春の頃、夕空に見えていた頃よりは、はるかにしっかりしたコマです。ネガの上では西に向かう扇形の尾が見えているのですが.....。
  C/1999 S4(LINEAR)
  2000UT        RA            decl          m1
May 29.76858 2h04m41s.96 +31°53'00".9 10.7
 GSCとの比較の写真等級では意外と明るく出ました!位置は正式にはスミソニアンに送っていません。こうした形式でHPに発表する芸西の観測は計算等自由に使用してかまいませんが、IAUに送ってないものは100%保証していませんのでそのおつもりで見てください。今回掲示した写真(写真1)からの測定で±1"くらいか?コマが少し大きく写ったので測定精度を心配しているのです。
[C/1999 S4(LINEAR)の写真]
(写真1)
C/1999 S4(LINEAR)
6415フィルム D-19 5分現像
芸西天文台 60cm反射鏡 6分露出
60cm反射鏡で撮影したものを約60%にトリミングしています。


● C/2000 K1(LINEAR)
 5月下旬になってC/2000 K1とK2が発見されました。例によってリニア計画によるものです。芸西では5月28日と29日にどちらも観測しました。写真2は5月28日に10分余りの露出で撮ったK1の方で、16.5等くらい。一方K2は少し暗く17.5等でした。少し南に尾を引いているように見えますが画面ではわかりにくいかもしれません。インターネットによる岡村氏の軌道です。

    T = 1999 Dec. 14.5694 TT
    q = 6.275731 AU
    e = 1.002099
    Peri    15.7955
    Node    260.1973 (2000.0)
    Incl    116.7884
 これを見ると離心率が1より大きい双曲線軌道であることがわかります。近日点は12月に通っていますので、今後明るくなることはありません。芸西の観測値は次回に発表します。

[C/2000 K1(LINEAR)の写真]
(写真2)
C/2000 K1(LINEAR)
2000年5月28日 10分露出
芸西天文台 60cm反射鏡

[C/2000 K1(LINEAR)の拡大写真]
中央部のアップ




Copyright (C) 2000 Tsutomu Seki. (関勉)