思い出の彗星

　芸西天文台が開所して間もなく現れたパンサー彗星は変わった彗星でした。宇宙の何処から放浪してきたのか1981年の3月にいきなり北極点を掠め通るという特演をやって見せたのです。
　北極星野ですから星の日周運動は遅いです。私は60ｃｍ反射望遠鏡のモーターを停止させて大口径鏡による12分間の静止撮影を試みました。結果はご覧の通り。恒星は僅かに動いているものの、彗星は見事止ったのでした。画面左下に見える最も明るい星が北極星です。この時のパンサー彗星は8等星だったでしょうか、上に幽かに尾を引いているのがわかります。
　その後20年ほど経ってこの彗星の後を追うように何かの彗星が北極点を掠めましたが何だっでしょうか？記憶が定かではありません。